2フィンガーと3フィンガー

フィンガーピッキングにおける“2フィンガー・スタイル”と“3フィンガー・スタイル”の違いを紹介。簡単な譜例も用意してあるので、それぞれの特徴を弾きながら体感してほしい。

文=関口真一郎
※本記事は書籍『アコースティック・ギターの全知識』より一部抜粋/再編集したものです。

2フィンガーとは

2フィンガーは右手の親指と人差指を使う演奏スタイルのこと。

4フィンガーと比べると、使用する指が少ないので音色が安定しやすい。指の動きの幅も広く取れるので、躍動感のあるプレイや、親指でビートを刻みながら、人差指でメロディを取るような演奏などにも向いている。

人差指、親指をフラットピックのようにして、コード・ストロークする動作にも移行しやすい。 

“親指でビートを刻みながら、人差指でメロディを弾く”と、言葉で言ってみれば簡単だが、実際にやってみるとけっこう難しい。指弾きを譜面にする場合は、親指を下向き、そのほかの指を上向きの音符で記譜することが多いが、最初はどちらも上向きのハタで考えたほうが理解しやすいかもしれない。

親指と人差指のピッキングが同時の箇所と、交互になったところがあるが、そこを把握するのがポイントとなる(譜例1)。

譜例(2フィンガー・スタイル)
譜例1:2フィンガー・スタイルの例
1小節目、2小節目ともに同じ演奏。1小節目は親指を下向きのハタ、人差指を上のハタで表記したもの。2小節目はどちらも上向きのハタで表記している

3フィンガーとは

3フィンガーは右手の親指、人差指、中指の3本を使ったフィンガースタイルのこと。

4フィンガーのように、低音弦は親指、高音弦は人差指、中指で弾くが、3弦を親指で弾くのがポイントとなる。フォーキーな演奏や、ブルーグラス風のリズミカルな演奏に向いている。

2フィンガーで示したように、こちらも最初はすべて上向きのハタで考えたほうが理解しやすいかもしれない。

譜例2は3フィンガーで弾いた譜例で、親指は低音弦と3弦を交互に弾くようなスタイルになる。リズムはもちろんのこと、音の粒を揃えることが大切だ。2フィンガーに比べると、シーケンス・パターンのようなフレーズが多くなる傾向がある。

譜例(3フィンガー・スタイル)
譜例2:3フィンガー・スタイルの例
1小節目、2小節目ともに同じ演奏。1小節目は親指を下向きのハタ、人差指、中指を上のハタで表記したもの。2小節目はどちらも上向きのハタで表記している

『アコースティック・ギターの全知識』

『アコースティック・ギターの全知識』

本記事は書籍『アコースティック・ギターの全知識』の内容を一部抜粋/再編集したものです。本書は、アコギの構造や関連機材、音楽理論などの基礎知識から、SNSでの活動方法などまで、さまざまな情報を網羅した1冊です。

定価2,420円(税込)
発売日2024.12.20
品種書籍
仕様A5判 / 192ページ
ISBN9784845641895

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