こういうのが私は“アコースティック・ギターだな”って感じがして、好きです
——もともとこのJ-50は、当時メインだった63年製ギブソン・カントリー&ウェスタンのサブ・ギターを探している時に偶然見つけたそうですね。
はい。これが良すぎてメインになりました。すごいロー感で、ドカドカしてるんです。カントリー&ウェスタンはネックも薄いし、いい意味でキラキラした軽やかな音なんですけど。J-50は低音がしっかりしてるんで、5〜6弦でミュートして刻んだ時に“ドドドド!”って太鼓のように鳴ってくれて、逆に弱く弾くとうしろに引っ込んでくれる。緩急がつけやすいんです。
——カネコさんのライブでのプレイ・スタイルって、とにかく強弱の振り幅が大きいですよね。だから、ダイナミクスのあるアコギじゃないとダメなのかもしれないですね。
そういう意味では、すごく頼れるギターです。基本的に、音デカいのが好きなんで。低音がもうベースみたいに出るので、私もそこに引っ張られて低音弦ばかり弾いちゃいます。「春」っていう曲とか、ルート音がガシガシ移動していくようなのが弾いていて気持ち良いです。
——レコーディングでもメインですか?
カントリー&ウェスタンと半々です。ドカンと行きたい時はJ-50、逆に軽やかな曲では、もう1本を使いますね。
——どのアルバムからJ-50を使い始めたんですか?
2019年に買ったんで、『燦々』(2019年)の弾き語りアルバム『燦々 ひとりでに』(同年)からですね。それ以降、弾き語りのアルバムでは毎回使ってます。一番新しい『タオルケットは穏やかな ひとりでに』(2023年)なら、タイトル曲はJ-50で弾いたと思いますね。
——ルックス面でJ-50の好きなところはどこですか?
まずピックガードが好きなんですよ。分厚くてプリプリしていて。あとはボディのお尻が大きくて、なで肩なところ。なんかこう、見た目の印象がキツくないというか、自然体な感じですよね。サザン・ジャンボみたいな大きいギターって、“持たせてもらってる感”みたいな雰囲気が出たりするじゃないですか(笑)。
——なるほど、たしかにJ-50のほうが偉そうじゃないですね(笑)。
そうなんです。J-50は人に抱かれている感じというか、収まりが良いんですよね。こういうのが私は“アコースティック・ギターだな”って感じがして、好きです。
——J-50の特徴であるナチュラル・カラーの色味はどうですか?
ビンテージなので、ボディのフチが焼けていたり、全体的に飴色な感じがおいしそうというか。ステーキみたい(笑)。ブリッジのピンも、パンみたいな色合いですよね。
カネコの“弾き語り”に対する想いやこだわり、また使用弦やピックなどについても深掘りしたインタビューの全編は、アコースティック・ギター・マガジン2024年12月号 Vol.102に掲載中!
アコースティック・ギター・マガジン2024年12月号 Vol.102