Gibson/J-50
“カネコの分身”とも言える、弾き込まれた愛器
カネコがこの65年製ギブソンJ-50を入手したのは、2019年のこと。当時のメインであった63年製ギブソン・カントリー&ウェスタンのサブ・ギターを探していたところ、楽器店で偶然出会った本器のガッツみなぎるサウンドが琴線に触れたという。それから現在まで約5年間、レコーディングやライブのメイン器として弾き倒しているうちに、ボディ・トップにはストロークの痕跡が無数に刻まれていった。その様子はもはや、カネコの分身とでも言いたくなるほどだ。まさに代えがたい1本である。
ギブソンJ-50についておさらいしておくと、J-45のナチュラル・カラー版として42年に誕生したモデル。木目が鮮明に見えてしまうため、より厳選されたスプルース・トップ材が選ばれ、それゆえか発売当時はJ-45より5ドル高く設定された。ボディ・シェイプはなで肩のラウンドショルダー(16インチ幅)、サイド&バック材はマホガニーだ。愛用者はジェイムス・テイラーが代表的だろう。
カネコが愛用するこの個体は、仕様変更(ヘッド角が17度→14度、ネックがナロー・タイプに)される65年製だが、ヘッド角は17度、ネックはナローになる前(ナット幅約42mm)と、変更前の仕様となっていた。改造箇所はなく、ピックアップも付いていない。“このギターに穴を空けるなんて信じられない”と、心から本器を大切にしている様子だった。
なお写真に写っている椅子は、2021年にアンティーク・ショップで購入したビンテージ・チェアで、弾き語りライブの時に必ず使っている。こちらも相棒のような存在だ。
カネコアヤノが、本器のサウンドや気に入っているポイントなどを語ったコメントは、アコースティック・ギター・マガジン2024年12月号 Vol.102に掲載!
アコースティック・ギター・マガジン2024年12月号 Vol.102