マンドリンの魅力を語らせたら、日本トップクラスと評されている木曽誠さん(ドルフィンギターズ リペア担当)の解説が好評の本連載。今回、取り上げるアルバムは、ホーマ&ジェスロの1962年作『PLAYING IT STRAIGHT』。
楽曲データ
名曲解説
HOMER & JETHRO(ホーマ&ジェスロ)は、主に1940〜60年代に活躍したカントリー・デュオで、特にマンドリニストのジェスロ・バーンズは、“ジャズ・マンドリン”というジャンルを世に広めた第一人者として知られています。
ジェスロ・バーンズは、ギブソン社がカスタムで製作したダブル・ポイントを持つA-5を使用しており、それは5層の存在感のあるバインディングにブロックポジション入りのエボニー・フィンガーボード、そして鮮やかなレッド・カラーを身にまとったスペシャルなマンドリンでした。エレクトリック・マンドリンやFタイプを使用している音源や写真も存在しますが、個人的にはジェスロ・バーンズといえば、この“ふたつのツノがある赤いギブソン”が頭に浮かびます。
ホーマ&ジェスロのアルバムは、コメディ・タッチな内容が多い中、今回ご紹介する、1962年発表の『PLAYING IT STRAIGHT』は、全曲真面目(?)でガチなアコースティック・スウィング・ジャズ・アルバム。ホーマ&ジェスロの超絶テクニックはもちろん、ジャズ・マンドリンの魅力を堪能できる内容となっております。
ハイテンポなスウィンギー・ジャズの「I Want to Be Happy」のソロは息を呑むほどのスリリングさがあり、「Merody from Ramond」では、敬愛するジャンゴ・ラインハルトへの想いがひしひしと伝わってくるフレーズが垣間見れ、ラテンのスタンダード・ナンバー「Tico Tico」での躍動感あふれるマンドリンに完全にノックアウト。
アンプラグドなジャズ・アルバムでここまでマンドリンでスウィングできるのは、ジェスロ・バーンズのすごみとしか言いようがありません(もちろんホーマも素晴らしいギタリストです)。全曲聴きやすいので、マンドリン・ジャズ・アルバム入門としては、かなりオススメな1枚です。
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