Dプレイの魅力とは
お疲れさまです、ジョニーです。今回は主要な3つのプレイキーの中でも現代風アプローチの発展が著しいDプレイについて紹介していきます。
GプレイやCプレイなどと比べ音域や運指上の制約が多いDプレイですが、その制約をものともしない若手フラットピッカーたちの登場で新しいアプローチが次々と生み出され、現在では各奏者がこぞってセンスを競い合っています。
オールドスクールなブルーグラスに囚われない多様な曲想が許容される現代において、フラットピッカーの好奇心を最も刺激するのがこのDプレイなのです。
かく言う僕もまだまだ研究途上ですが、これから奏法を学んでいく皆さんにとっても良い取っ掛かりになれば幸いです。
課題曲には、来日公演も記憶に新しいジュリアン・ラージと、パンチ・ブラザーズのギタリスト、クリス・エルドリッジのデュエット・アルバムでも演奏されているトラディショナル・ナンバー「Old Grimes」を取り上げました。
2カポCプレイとDプレイを聴き比べてみよう
Key Dの同じフィドルチューンを、2カポCプレイ・アレンジとDプレイ・アレンジで弾き比べてみましたので、動画で確認してみてください。Dプレイのほうは、開放弦によるアンビエンスや、プリングオフの多用、さらにシンコペーションやフレーズの崩しも自由で、よりモダンな印象になっているのがおわかりいただけると思います。
どちらが良い悪いということではありませんが、現代的な音楽感覚に訴えかけるという意味で、Dプレイのほうがクールに聴こえる方は多いのではないかと思います。
チェックしておきたいDプレイのオススメギタリスト
●David Grier
80年代に登場し、後続のフラットピッカーに多大な影響を与えた鬼才。ソロ・アルバム『Freewheeling』に収録の「Fog Rolling Over The Glen」、「The New Soldier’s Joy」はDプレイの古典的名演です。現代風クロスピッキングのいいお手本にもなります。
●Cody Kilby
2000年代のテクニックインフレ時代の寵児。2008年の『Many Roads Traveled』にはDプレイの楽曲が多数収録されています。その人間離れしたプレイを真似るのはほぼ不可能に近いですが、こんなこともできる!という意味で初級者にこそオススメしたいギタリストです。
YouTube連動! 齊藤ジョニーによる実演動画
誌面と連動した第6回目の試奏動画の様子はこちらから! 続きは誌面のエクササイズ譜例と合わせてチェックしてみてください。
第6回の内容
- はじめに
- 2カポCプレイとDプレイを聴き比べてみよう
- チェックしておきたいDプレイのオススメギタリスト
- ポジションシフトのための運指法
- 開放弦の旨みを生かすクロスピッキング
- 南部の砂埃が見える、ディープなブルースリック
- 課題曲「Old Grimes」に挑戦!
- 最後に 〜Dプレイのプレイングマナー〜
詳細はアコースティック・ギター・マガジン2024年3月号、Vol.99をご覧ください。