グルーヴを生むためには?|アコギ上達100の裏ワザ:第82回

アコースティック・ギターが上手くなりたい人のための“アコギ上達100の裏ワザ”。すべてのアコギ弾きに役立つヒントを紹介!


グルーヴが何なのか疑問に思ったら
➡リズムの繰り返しで生まれる心地良さだと知れ

裏ワザ081の図を題材に、繰り返しを考えます(Ex-1)。

Ex-1

“×”印のゴースト・ノートをブラッシングしてみましょう。これによって、フレーズに躍動感が出てきます。こうした躍動感あるリズム表現の繰り返しから、グルーヴは生まれてくるのです。

今度は、ブラッシングの場所を変えてみます(Ex-2)。

Ex-2

ブラッシングを入れるタイミングは、楽曲の雰囲気で自分で好きに選んでOKです。これが正解で、これはダメというのはありません。よってセンスの問題にはなりますが、センスを身に付けるために、あらゆるパターンを考えて練習の末に選んでいくのです。

さて、大抵の場合、リフは4回(もしくは8回)繰り返されます。その場合、毎回同じ表現だと自分でいつが8回目なのか分からなくなります。また、単なる繰り返しでは、表現として今イチ乏しいものです。

そこでEx-3のようなブラッシング・パターンを組み込んでみます。

Ex-3

次に、オブリガートっぽいフレーズを入れることで、自分で回数確認をしてみましょう(Ex-4)。特に、4回目の3拍目休符で“タメる”ことによって、次のセクションへつなげる疾走感を構築することができます。

Ex-4

音符やブラッシングで埋めてきた1〜3回目に対して、空白を入れると、“よっしゃ、行くぞ!”という勢いが作れることになるのです。“タメる”というのは時間のことだけではありません。“無音で空間を保つ”という意味もあるのです。

こうして一定のリズムが繰り返され、その繰り返しから躍動感が生まれて、それが“心地良い状態”になったとき、一種の“グルーヴ”を生みます。また、このような繰り返しを練習していく中で、別のオブリガートやリフ・パターンを思い付いたりします。それが作曲やアレンジにつながっていくのです。

アコギ上達100の裏ワザ

著者プロフィール

いちむらまさき

岐阜出身のギタリスト&ウクレリスト&ライター。音楽制作、ソロ・ギター・スタイル、インストラクターなどで活動。

著作に『ギター・コードを覚える方法とほんの少しの理論』、『楽譜を見えるのがうれしくなる方法とプレイに直結させるコツ』、『音楽理論がおもしろくなる方法と音勘を増やすコツ』、『コード進行を覚える方法と耳コピ&作曲のコツ』、『ピアノでコードを覚える方法とほんの少しの理論』、『ギターを弾いているだけで音感がアップする方法』、『ブルース・ギターをはじめる方法とプレイ幅を広げるコツ』、『ギター・スケールを覚えないでアドリブをはじめる方法』、『ウクレレのお手入れ&お手軽カスタマイズを楽しむ本』、『ジャズコで聴き比べる歪みエフェクター97』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本 リズム強化編』、『ギター上達100の裏ワザ』、『ギター作曲100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDエレクトリック・ギター』、『アコギ上達100の裏ワザ』、『耳コピ上達100の裏ワザ』、『ライブ上達100の裏ワザ』、『ウクレレ上達100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDウクレレ』、『気づいた人から上手くなる! ギタリストのハテナに答えます!』、『ギターで作曲する方法とほんの少しのコード理論』(すべてリットーミュージック刊)など。

◎公式サイト:https://blog.goo.ne.jp/ichimuramasaki

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