アコースティック・ギターが上手くなりたい人のための“アコギ上達100の裏ワザ”。すべてのアコギ弾きに役立つヒントを紹介!
文:いちむらまさき イラスト:花くまゆうさく
※本記事は『アコギ上達100の裏ワザ』(小社刊)の内容を転載したものです。
グルーヴが何なのか疑問に思ったら
➡リズムの繰り返しで生まれる心地良さだと知れ
裏ワザ081の図を題材に、繰り返しを考えます(Ex-1)。
“×”印のゴースト・ノートをブラッシングしてみましょう。これによって、フレーズに躍動感が出てきます。こうした躍動感あるリズム表現の繰り返しから、グルーヴは生まれてくるのです。
今度は、ブラッシングの場所を変えてみます(Ex-2)。
ブラッシングを入れるタイミングは、楽曲の雰囲気で自分で好きに選んでOKです。これが正解で、これはダメというのはありません。よってセンスの問題にはなりますが、センスを身に付けるために、あらゆるパターンを考えて練習の末に選んでいくのです。
さて、大抵の場合、リフは4回(もしくは8回)繰り返されます。その場合、毎回同じ表現だと自分でいつが8回目なのか分からなくなります。また、単なる繰り返しでは、表現として今イチ乏しいものです。
そこでEx-3のようなブラッシング・パターンを組み込んでみます。
次に、オブリガートっぽいフレーズを入れることで、自分で回数確認をしてみましょう(Ex-4)。特に、4回目の3拍目休符で“タメる”ことによって、次のセクションへつなげる疾走感を構築することができます。
音符やブラッシングで埋めてきた1〜3回目に対して、空白を入れると、“よっしゃ、行くぞ!”という勢いが作れることになるのです。“タメる”というのは時間のことだけではありません。“無音で空間を保つ”という意味もあるのです。
こうして一定のリズムが繰り返され、その繰り返しから躍動感が生まれて、それが“心地良い状態”になったとき、一種の“グルーヴ”を生みます。また、このような繰り返しを練習していく中で、別のオブリガートやリフ・パターンを思い付いたりします。それが作曲やアレンジにつながっていくのです。