アコギの音色だけでこんなにメタルらしさが出せるんだ
──ロックやポップス、メタル、ボカロなどなど多様なジャンルを愛聴する奥本さんの音楽のルーツを教えてください。
最初はヒップホップからだったと思います。親が音楽好きだったので、自然と耳に入ってきていたんです。
そのあとは、例えばボカロにハマった時は、好きなボカロはロック調の曲が多かったので、“実際のロックってどんな感じだろう?”みたいに、そこからどんどん幅を広げていったんです。この世界にはどんな音楽が存在してるんだろうという興味があって、調べていたらこんなことになってしまいました(笑)。
ちなみに、初めて聴いたロックはニルヴァーナの「スメルズ・ライク・ティーン・スピリット」でした。
──どんどん深掘りしていったんですね。中学3年生の時にアコギを始めたということですが、そのきっかけは?
歌うことも好きだったので、自分で弾きながら歌いたかったというのが大きいですね。コードを当てはめることでいろんな曲をカバーできますし。
──ギターを始めた当時、練習していた楽曲は?
スピッツの「ロビンソン」や、椎名林檎さんの曲などを弾いていました。洋楽も好きだったので、テイラー・スウィフトの「We Are Never Ever Getting Back Together(私たちは絶対にヨリを戻したりしない)」、エド・シーランの「シェイプ・オブ・ユー」なども弾きました。
当時、海外の方の弾き語り動画を観るのが好きで、それを観ながら自分なりにアレンジして弾いていましたね。
──アコギの音色が聴こえる、お気に入りの楽曲はありますか?
メタルなんですけど、システム・オブ・ア・ダウンの「Chop Suey!」のイントロでアコギが使われているんです。“アコギの音色だけでこんなにメタルらしさが出せるんだ!”と思って。この曲のアコギの響き方はすごく好きですね。
──好きなギタリストについても教えてください。
THE ALFEEの高見沢(俊彦)さんのメロディがすごく好きですね。高見沢さんが手がけた、小泉今日子さんの「木枯しに抱かれて」のギターが好きなんですよ。
相川七瀬さんの「夢見る少女じゃいられない」の織田哲郎さんや、最近はエリック・クラプトンの「いとしのレイラ」を練習しているんですけど、すごく味があって良いなと思います。
あとはレッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョン・フルシアンテも。海外のロック・バンドだとニルヴァーナの次にレッチリを聴いたこともあって。ベタだけど「キャント・ストップ」はグルーヴ感がありつつ、彼にしか出せないメロディ感もあってかっこいいなと思います。
今のAKB48を知るきっかけに私がなれたらいいな
──高校では軽音学部に所属し、そこでエレキ・ギターを始めたんですよね。バンドの中でアコギを弾くこともありましたか?
やりたいと思っていたんですけど、実はやってこなかったんです。だから今回、“サウンドメッセ”(2026年5月16日〜17日に大阪で開催される国内最大級の弦楽器イベント)で、“人生初のアコギ弾き語りライブ”をやらせてもらえることになってうれしいです。
──記念すべき瞬間となるライブですね! 意気込みはいかがですか?
やったことないからこそ緊張感や不安はあるけど、“音楽が好き”ということを音に乗せて伝えたいですね。技術はまだまだかもしれないけど、音楽愛だけは負けない気持ちで挑みたいと思います。
ファンじゃない方もいる会場なので、“AKB48にこんな人がいますよ”というのを伝えられる機会でもあると思うんです。少しでもAKB48に興味を持ってもらえたらうれしいですし、今のAKB48を知るきっかけに私がなれたらいいなと思います。
セットリストはまだ秘密なんですけど、最初から最後まで自分で考えたので、どんな意図があるのかも考えながら楽しんでもらえたらいいなと思います。温かい目で観てくださるとうれしいです(笑)。
──ライブに向けて、どんな準備を行なっていますか?
これまでは完全に独学でやってきたんですけど、最近、AKB48の新バンド・ユニットを結成して、“AKB48 春コンサート2026”(2026年4月開催)で「ヘビーローテーション」を披露したんです。
そこではエレキを担当しているんですけど、そこで初めてギターの先生についていただいて、「ヘビーローテーション」やサウンドメッセで披露する楽曲のことも教えてもらいました。
──具体的にはどのようなことを教えてもらったんですか?
リズムの2拍目、4拍目を大事にすることなどですね。リズム感がないと相手にちゃんと伝わらないけど、リズムさえ取れていれば簡単なコードでもそれだけでグルーヴ感が出るんですよ。
リズムって簡単なようですごく難しいんです。私はギターをきちんと習ったことがなかったので、今まではけっこう好き勝手に弾いていたんです。だから基礎が抜けている部分もあって、アコギもエレキも、技術というよりもリズムの練習がすごく難しかったです。
──AKB48の新バンド・ユニットについても教えてください。
もともと“AKB48でバンドをやりたい”という夢を持っていたんです。私以外にもピアノができるメンバー、サックスができるメンバーがいるので、みんなで合わせたらバンドができるんじゃないかと思っていたんですけど、今回、実現することになりました。
今回ユニットを組んだメンバーは、加入した時期や年齢も違いますけど、同じ夢を持っています。“AKB48としてまた東京ドームに立ちたい”、“今のAKB48を盛り上げたい”という大きな夢です。同じ夢を持つ仲間たちとバンドをできるというのは素晴らしいことだなと思っているんです。
高校時代のバンド・メンバーは、音楽が好きな仲間だったけど、同じ夢を持っているわけじゃなかったんです。“私はこの仕事がしたい”、“この大学に行きたい”みたいに、別々の夢を持っていて。音楽が好きという共通点からバンドができたのは、それはそれで面白かったけど、同じ夢でつながっているメンバーでバンドができるというのはなかなかないことだと思うんですよ。
──また音楽には、人と合わせることで生まれる面白さもありますよね。
ありますね。自分でメロディを奏でる楽しさもあると思うんですけど、ほかの楽器と重なることによって、音楽の素晴らしさや重厚さが生まれますし、同じメロディを弾いているはずなのに、聴こえ方がガラッと変わることもあると思うんです。
少し話は変わってしまうんですけど、ファンクやジャズの即興バンドなどでは音楽だけで通じ合っていて、演奏中に“今からここ弾くよ〜”みたいに言わないじゃないですか(笑)。言葉はなくても通じ合える、つながり合えるというのが好きなんですよね。それぐらい私はバンド愛が強くて、チームって良いなと思います。
音楽を通じて本気で相手と向き合って、感動してもらえる音楽が作りたい
──“AKB48唯一のトラックメーカー”とのことですが、トラック・メイクもしているんですか?
そうなんです。スマホで、GarageBandというアプリを使って作っています。最近は自分で曲を作ってラップや歌を披露する方がたくさんいるので、自分も音楽を作ってみようって思ったんです。
簡単に16ビートを打ちこんで、そこに思い浮かんだメロディをピアノなどで入れて作っていきますね。
──メロディやフレーズはどういう時に思い浮かぶことが多いですか?
最近メロディが浮かんだのは、母とけんかした時でした(笑)。かっこいい曲やオラオラな曲を書きたい時は、衝突的な場面でメロディが降りてくるんです。その怒りを音楽に変えられたら面白いなと私は思っていて。喜怒哀楽にメロディが操られていますね。
──アコギを使って作曲をすることもありますか?
あります。オリジナル曲には憧れがあるので挑戦しているんですけど、アコギで作るほうがビート・メイクよりも難しいんです。オリジナリティを探していくと、良いと思えるコード進行と歌詞があっても、あとから聴いたら“全然違う”と思ってしまったり……。
あと、アコギで作るなら歌詞があったほうが映えるじゃないですか。歌詞を作ることが一番大変なので、今はちょっと葛藤していますね。
──以前、SHOWROOMのライブ配信で“ギターを弾くことはストレス発散になる”と言っていましたよね。現在の奥本さんにとって、アコギを弾くという行為にはどんな意味がありますか?
最初はただのストレス発散だったんです。だから自分の好きなように弾けばいいし、相手にどう伝えるかもあまり考えていなくて、ただ好きな歌をカバーしていました。
でもバンド・ユニットを組んだり、アコギや音楽に関わる活動をする中で、初めて生まれた感情があって。“どうやって表現したら、相手にはどんなふうに伝わるのかな?”って思ったんです。
グルーヴ感が生まれてこそ相手に本気度が伝わるし、本当に“すごい”と思わないと自然な拍手って生まれないじゃないですか。今はそういうものを求めていて、音楽を通じて本気で相手と向き合って、感動してもらえる音楽が作りたいなと思っています。
──最後に、ギタリストとしての今後の目標を教えてください。
単刀直入に、プロのギタリストになりたいです。“アイドルでギターを弾ける子がいる”じゃなくて、“ギターを弾ける子がアイドルなんだ”のほうが面白いと思っているんです。
でもそのためには技術力が重要なので、とにかく練習を怠らずに毎日ギターを弾いて、ギタリストとして認めてもらえるくらいうまくなりたいです。
ビッグすぎる夢ではあるんですけど、いずれ“好きなギタリストは?”という質問に“奥本カイリ”と答えてもらえるようなギタリストになるというのが今の目標ですね。
サウンドメッセ in OSAKA 2026出演情報:
https://sound-messe.com/artistsingle?evid=16
サウンドメッセ in OSAKA 2026
◎スケジュール
日程
2026年5月16日(土)11:00〜18:30
2026年5月17日(日)10:00~17:30
会場
アジア太平洋トレードセンター・ATCホール
〒559-0034 大阪市住之江区南港北2-1-10
チケット
前売券:2,000円/当日券:2,500円(各プレイガイドにて発売中)
■18才以下:無料
*要学生証または身分証明書
■ハンディキャッパー:1,500円(当日券のみ)
*要障害者手帳
※すべて消費税込
サウンドメッセ in OSAKA
https://sound-messe.com/











