MIZの玉置周啓が新作『轉角民宿』のレコーディングで使用した2本のガット・ギター

玉置周啓がMIZの新作『轉角民宿テンカクミンシュク』のレコーディングで使用したのは、タカミネのエレガット=PT-408Nと個人製作家の伊藤和夫が1970年に製作したガット・ギターの2本。それぞれのギターとの出会いやサウンドの印象などを玉置に語ってもらった。

取材・文=角 佳音 撮影=アコースティック・ギター・マガジンWEB

Takamine/PT-408N

Takamine/PT-408N(前面)
Takamine/PT-408N(裏面)

“高音のアルペジオが気持ちいい”エレガット

玉置周啓がMIZで使用するメインのガット・ギターは、タカミネのエレガット=PT-408N。2022年に石若駿(d)とマーティ・ホロベック(b)を迎えて開催したバンドセット・ツアー“MIZ “Rhythm” – BAND SET TOUR –”のタイミングで入手したモデル。ライブに向けてエレガットを探していることをYOUSAYSOUNDSの宇佐美裕聖氏に相談したところ、彼が整備した直後の本器を紹介してくれたそうだ。

そのサウンドについては、“明瞭だけど、ハイの強い「ピンピンした音」が出ないのが良い。ラインで出しても低音の温かい感じが残る感じも良かった”とのこと。

玉置は作曲の際にも本器を使っており、“ハイ・フレットで細かく刻むアルペジオのフレーズを弾くことがあるんですけど、その時の音が気持ち良いんです。このギターで曲を作る時はそういうフレーズが出てくることが多い気がしますね”と話してくれた。

材構成はトップにシダー、サイド&バックとネックにマホガニー、指板とブリッジにローズウッド。また出力は、タカミネのGRAPH-EX Pre Ampとオバナ・マイクロフォンのOBA-G5にて行なっている。

新作『轉角民宿テンカクミンシュク』のレコーディングでは、「山道」と「森の遊び」を除くすべての楽曲で使われた。なお「鰐町」では加藤成順が本器を、玉置は後述の伊藤和夫作のギターを弾いたとのこと。

指板インレイ
指板インレイにはアバロン貝が使用されている
チューナー
ダダリオのNS Micro Clip Free Tunerを使用

Takamine/PT-408N

1970年 伊藤和夫作クラシック・ギター

伊藤和夫 1970年(前面)
伊藤和夫 1970年(裏面)

約10年間愛用するガット・ギター

MIZを始める2016年に入手したガット・ギター。タカミネと出会うまでは、本器をメインのガット・ギターとしてライブ、レコーディングなどで使用していた。

本器の出自について、“このギターを買ったところによると、1970年代当時、個人でガット・ギターを作っている人がちょくちょくいたらしく、おそらくラベルに書いてある伊藤和夫さんという方が作ったギターらしいです。でも仕入れの時点でラベルの半分が炭でつぶされていたみたいで、誰に贈ったギターなのかはわからないんです”と話してくれた。

サウンドはタカミネと比べると、“よりやわらかくて、ふくよかです。よく開放弦を使うんですけど、高音の弦を開放したまま低音の弦でコード進行していく時の音の混ざりが一番気持ち良いですね”とのこと。

『轉角民宿』のレコーディングでは「山道」、「鰐町」、「森の遊び」の3曲で登場し、そのあたたかみある音色を聴くことができる。

ネック裏
ネック裏の塗装が一部剥がれており、“入手した当初から握った感触はザラザラしていた”とのこと

『轉角民宿』MIZ

Track List

  1. 山道
  2. とびうおのうた
  3. ビーバー
  4. 恋の味
  5. 轉角 feat. Ami Tseng
  6. 暑中見舞い
  7. Yaku-Yaku Buscemi
  8. 鰐町
  9. 森の遊び

SPACE SHOWER MUSIC/PECF-3304/2026年4月8日リリース

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