スティール弦ギターの弦交換の方法

スティール弦アコースティック・ギターの弦交換をする際に作業時に準備しておきたいものや、その手順を見ていこう。

文=関口真一郎
※本記事は書籍『アコースティック・ギターの全知識』より一部抜粋/再編集したものです。

弦交換するための道具

弦交換をするには、まずは弦を切るためのニッパーが必要。楽器用のニッパーがオススメだ。

ブリッジピンをクロスで保護しながら、ニッパーでブリッジピンを抜くこともできるが、ブリッジピン抜きがあると便利。ペグを素早く回すことができるペグ回し(ペグワインダー)にはブリッジピン抜きが付いているものもある。

弦交換時は大きめのクロスをギターの下に敷いておくと、ギターが傷つくのを防ぐことができる(写真1)。

ニッパー、ペグワインダー(ペグ回し)、クロス
写真1:左からニッパー、ペグワインダー(ペグ回し)、クロス

弦交換のプロセス

1:弦を緩める

まずは各弦を緩めていこう。弦は1本ずつ交換するのか、それとも6本を一度にはずしたほうがいいのか、それは人によって意見が分かれるところだが、ネックに大きなテンション差をかけたくない人は1本ずつでもかまわない。

しかし、6本まとめてはずせば、この機会に指板やフレットの掃除がしやすくなる。

2:古い弦をはずす

弦を固定しているブリッジピンは、指では固くて引き抜けない。ブリッジピン抜きやペグ回しのピン抜きを使って、テコの原理で抜く(写真2)。

ブリッジピン抜きの使用方法
写真2:ペグワインダーにはブリッジピン抜きが付いているものもある

3:新しい弦をセットする

弦の一方にはボールエンドという金属製の輪が付いている。ブリッジの穴に弦のボールエンド側を差し込み、ブリッジピンのミゾ側をネック側に向けて穴に仮留めする。大抵は6弦から張っていく。

4:ボールエンドの位置をチェック

ボールエンドがしっかりと穴の端に引っかかっていないと弦が不安定になるので、弦交換の時にはボールエンドの向きにも気をつけよう(図1)。

サウンドホールの穴から手を突っ込んだりして、引っかかりをチェックしてみるのもいい。ボールエンドがブリッジピンの下に密着しているのを確認したら、指でピンを根元まで押し込む。

弦の先を折る際のポイント
図1:ボールエンドをしっかりと穴の端に引っかける。ボールエンドの向きもチェック

5:弦の先を折る

弦をブリッジ側に固定させたら、今度はペグ穴に引っかける弦の先の部分を折る。ペグのポストの高さにもよるが、巻こうとするペグのひとつ先のペグの位置を目安に折るといい(図2)。

弦をペグのポストの穴に入れてから先端を折り、その先端をバックさせてもかまわない。

弦を折る長さの目安
図2:6弦を巻く時は、ひとつ先の5弦のペグの位置を目安に折るといい

6:弦をペグポストに巻きつける

ペグポストの穴に弦を差し込んだら、ゆっくりとペグのつまみを回していく。弦をねじってしまわないように、空いている手で弦を押さえながら巻いていこう。ペグ回しがあると便利だ。

慣れないうちはペグに巻き付ける方向を間違えやすいので気をつけよう(図3)。巻き付けた弦が重ならないように巻いていくこと。ポストの高さにもよるが、低音弦は2、3巻き、高音弦は4、5巻きくらいが適当だ。

ペグを回す方向
図3:ペグを回す方向を間違えないように

7:ペグポストの先の余分な弦を切る

弦の余った先を伸ばしたままにしたり、クルクルと丸めていたりする人もいるが、まわりの人にも危険なので、ペグポストの先の余分な弦はニッパーで切ってしまおう。

8:完成!

ストロークしたりして、ギターに弦をよく馴染ませる。ただし、ここであまり強く弦を引っ張らないこと。弦が安定するまでチューニングをくり返してみよう。

『アコースティック・ギターの全知識』

『アコースティック・ギターの全知識』

本記事は書籍『アコースティック・ギターの全知識』の内容を一部抜粋/再編集したものです。本書は、アコギの構造や関連機材、音楽理論などの基礎知識から、SNSでの活動方法などまで、さまざまな情報を網羅した1冊です。

定価2,420円(税込)
発売日2024.12.20
品種書籍
仕様A5判 / 192ページ
ISBN9784845641895

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