“楽器店大賞2025”で選ばれたアコースティック・ギターの大賞は!?

写真=畠山一樹

全国の楽器店員による投票で“今年の楽器”、“今年のプレイヤー”を決定する楽器店大賞の表彰式が、2025年10月27日(月)に東京はヤマハ銀座スタジオにて行なわれた。

今回は部門ごとに対象商品が設定され、“ギター/ベース/ドラム部門”の対象がアコースティック・ギターとなっていた。なお、テーマ/副題は“初めて手にするなら、この楽器”ということで、楽器店員目線で初心者にオススメの商品が募集された。

初めて手にするなら、このアコースティック・ギター

表彰式では鍵盤楽器部門の発表に続き、“ギター/ベース/ドラム部門”の入賞、大賞が順に発表され、以下の結果となった。

2019年の登場以来すっかりミュージシャンの間でも浸透してきたフェンダーのアコスタソニックだが、2025年に登場したAcoustasonic Standard Telecasterは10万円以下というコストパフォーマンスを実現した1本。プロのミュージシャンも愛用するアコスタソニックの機能を、手頃な価格帯で楽しめるということで、楽器店員から多くの票を集めたようだ。

Fender/Acoustasonic Standard Telecaster

もうひとつの入賞商品は、ギブソンのJ-45 Standard。1942年の発売以降、ギブソン・アコースティックのフラッグシップ・モデルであり続け、プロからの信頼も厚いJ-45は、まさに業界標準のモデルだ。長く弾き続けられる一生モノのアコギを初めての1本として薦めたい、投票者のその気持ちには大きく賛同したい。

Gibson/J-45 Standard

そして大賞に輝いたのはヤマハのLL6 ARE。2024年に50周年を迎えた歴史あるLシリーズのエントリー・クラスのモデルで、ボディ・トップへのイングルマン・スプルース単板の採用、パッシブ・タイプのピックアップの搭載など、手に取りやすい価格で高い品質とプレイアビリティを実現している。

Yamaha/LL6 ARE
ヤマハ/LL6 ARE

Yamaha/LL6 ARE

LL6 AREを選出した楽器店員のコメントには、“一番説得力のある接客ができるモデル”、“音がでかい! それだけで楽しいと思う”、“自身で使っていた経験も含めてオススメ”と、経験者ゆえの説得力のある言葉が並んだ。

登壇したヤマハミュージックジャパンLM事業戦略部部長の冨岡雅佳氏は、受賞コメントで以下のように語った。

2023年はPacifica、2024年はRevstarで、今回もこのような賞をいただきまして嬉しく存じます。

今回受賞したLL6はヤマハLシリーズの入口のモデルとなっています。2014年にラインナップを一新したLシリーズは、ヤマハの革新的な技術が盛り込まれており、そのひとつがAREという木材の改質の技術です。

これは木材を短期間で熟成させることによって、長く弾いたような深い音を実現する革新的なものです。その処理のプロセスでは薬品を一切使わないので、環境負荷も少ない、サステナビリティにも通じるものとなっています。

さらにこのモデルにはピックアップが搭載されていますので、ライブがしたい、音楽制作がしたい、将来プロになりたい、さまざまなお客さまの需要に対応するようなモデルです。

今回の受賞はアコースティック・ギターのマーケットがさらに良くなっていくサインだと感じています。私たちもそれに甘んじることなく、市場が活性化するために尽力してまいります。

冨岡雅佳氏
受賞の喜びを語るヤマハミュージックジャパン冨岡雅佳氏

音楽の趣向も多様化していく現代に、さまざまな音色をカバーする最先端のアコスタソニック、伝統的なスタンダードとしてのJ-45、そして初めて手にする1本としてこれ以上ない安心感を約束してくれるLL6 AREと、それぞれが異なる個性を持ったラインナップが並んだのが印象的だ。

また2025年度テーマとして設定された“今、話題のこの商品”部門では、タリア・カポ(Thalia Capos)が大賞に選ばれた。スマートなルックス、抜群のチューニングの安定性が評判を呼び、カポタストとしては高価ながら、楽器店員から多くのレコメンドを集めた。

Thalia Capos

日々プレイヤーとの会話が飛び交う現場の声が反映される楽器店大賞からは、音楽シーンの様相や流行を垣間見ることができる。ぜひ楽器店で今回の受賞商品を試してみてほしい。

楽器店大賞公式HP
https://www.zengakkyo.com/gakkitentaisyo/

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