覚えておきたい装飾や加工の名称
ピックガード
ピックガードはピッキングによるトップの傷を防ぐカバーとしての役割があるほか、装飾としての側面もある。素材はプラスティックが多く、複数枚が貼り合わされているタイプもある。
バインディング/パーフリング/ロゼッタ
バインディングはボディ、ネック、ヘッドなどの角に沿って設けられた縁飾りのこと。装飾としてだけでなく、楽器の角を保護する役割もある。
素材はセルロイド、木材、貝殻などが使われる。ヘリンボーン・バインディングと呼ばれるものはヘリンボーン柄のバインディングのこと(図1)。ヘリンボーンは魚の骨のような模様のことで、ニシン (herring) の骨 (bone)がその名前の由来となっている。
バインディングの内側の装飾はパーフリング、サウンドホールまわりの装飾はロゼッタと言う。
インレイ
インレイはおもに木部に特定の素材をはめ込んで装飾することを言う。アバロン貝や木材などが使われることが多く、ヘッドのロゴ・マークやポジションマーク、ロゼッタによく見られる。
サウンド自体にはあまり影響は与えないが、工程に手間がかかる分、楽器の価格に大きく反映される部分でもある。
カッタウェイ
ハイ・ポジションを弾きやすくするために、ボディ・ショルダーの一部を切り取った構造のこと。
おもなタイプとしては、カッタウェイの頂点が丸いベネチアン・カッタウェイ(図2)と、先端が尖ったフローレンタイン・カッタウェイ(図3)がある。
サウンドポート/サイドホール
サウンドポート(図4)とはボディ・サイドに空けられたサウンドホールのこと。サイドホールと呼ばれることもある。
自分の弾いている音を聴きやすくするために設けられたものだが、これを備えることで、ギター自体の音色も変わってくる。
fホール
バイオリンでよく目にする“f”をかたどったサウンドホールのこと。アーチトップ・タイプのギターで見かけることが多い。
コンター加工
ギターを抱えやすくするために、ボディの一部を削り落とした加工のこと。アコースティック・ギターでは、肘のあたるトップ部を削り落としたものが多い(図5)。
目立たないながらも、ここにコンター加工を設けることで、けっこう抱えやすくなる。
ストラップピン/エンドピン
ストラップピンはストラップ(ギターを立って弾く時に、肩や首から吊り下げるヒモ/ベルト)を留めるためのピンのこと。
ストラップピンのうち、ボディエンド部に取り付けられたものをエンドピンと言う。
杢
木目とは木材を切った際に表われる年輪のこと。杢(もく)は、材の表面に現われるさまざまな模様のことだ。この模様の美しさで材のグレードや価格が変わってくる。
サテン/グロス/ラッカー・フィニッシュなど
ギターはラッカー、ポリウレタン、ポリエステルなど、さまざまな塗料で仕上げられている。塗装が厚いとボディの鳴りは抑制されるが、その分、締まりのある音になると言える。
ツヤありの塗装はグロス、ツヤなしのさらさらとした手触りのものはサテンと呼ばれる。
『アコースティック・ギターの全知識』
本記事は書籍『アコースティック・ギターの全知識』の内容を一部抜粋/再編集したものです。本書は、アコギの構造や関連機材、音楽理論などの基礎知識から、SNSでの活動方法などまで、さまざまな情報を網羅した1冊です。
定価 | 2,420円(税込) |
発売日 | 2024.12.20 |
品種 | 書籍 |
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仕様 | A5判 / 192ページ |
ISBN | 9784845641895 |