アコースティック・ギターが上手くなりたい人のための“アコギ上達100の裏ワザ”。すべてのアコギ弾きに役立つヒントを紹介!
文:いちむらまさき イラスト:花くまゆうさく
※本記事は『アコギ上達100の裏ワザ』(小社刊)の内容を転載したものです。
ギターを購入する際には
➡ 友人と楽器屋に行こう
先日、“ギター試奏取材”という仕事をしました。これまでにもひとりでの試奏は何回も経験しておりますが、そのオファーは、僕がやっているギター・デュオ“徳の市”の相棒である徳武弘文氏と共に行なうというもの。
当日、ふたりで8本のギターを取っ替え引っ替え弾いてきました。そこでわかったことは、人が弾いているのをじっくり聴いてから自分で弾くと、自分の好みのギターが判断できるということ。同じギターでも、僕の出すサウンドと徳武氏の出すサウンドは違うわけです。
また、その人好みのギターというものは、その人が握った瞬間に見てわかるものだ、ということにも気付きました。実際、その取材でも、“あぁ、それは徳さんに似合うねぇ〜”、“これはいちむらに似合うよ”などの感想が出てきたものです。
皆さんの場合、試奏というのは主に楽器屋さんで行ないますよね。その際、できるだけ友人を連れて行き、ふたりでギターを持ち替えて試奏してみましょう。すると、自分が弾くだけではわからないギターの持ち味を知ることができます。特に購入を迷っているときには必須ですよ。
具体的には、ふたりで楽器屋さんに行って、まず友人にギターを弾いてもらいます。そのとき、あなたは友人の前に立つだけではなく、ウロウロと店内を歩き回ってみましょう。そして、友人がいる場所から10メートル以上離れて聴いてみることもお勧めします(できれば店内BGMなどを消してもらいたいところです)。なぜなら、遠くから、うしろから、斜めから聴くのでは、それぞれ音色が変わってくるからです。
次に、自分が弾いて、今度は友人にウロウロしてもらいます。あとでその感想を言い合ってみてください。サウンドの違いが判断できるようになっていきます。とにかく、自分の出している音と、人が聴く音は違うかもしれない——これがギター選びのヒントになります。
さらには、ギターは弾けないけれどもすごく音楽好きな人や、オーディオ・マニア、いつも自分のギターを聴いてくれている彼女 or 彼氏などに楽器屋さんについていってもらい、試奏音を聴いてもらっても、意外に音の善し悪しを判断してくれることがあります。
なお、購入を迷ったときには、一度ふたりで店を出て喫茶店に行きましょう。1時間ほど頭の冷却時間を持つのです。友人からは、楽器屋さんでは言わなかった本音が出る場合もあります。ということは、閉店間際に行ってはいけないということにもなります。閉店間際だと“今日買わなきゃ、また来ないといけない”と、財布の紐が緩んでしまうからです。