アコースティック・ギター・マガジンVol.94からスタートした新連載、“現代ブルーグラスのフラットピッキング革命”。
2回目のテーマは、“ブルーグラス的ピックの使い方”ということで、ロング・タッチングとクロス・ピッキングについて、齊藤ジョニーがじっくりと解説していきます。ちなみに、“ロング・タッチング”という名前は、ジョニー先生が命名した演奏方法です。
俗に“弦にピックを押し付けて弾く”などと表現されるピッキング・スタイルで、ブルーグラスのピッキング術の根幹となる要素です。しっかりと理解しましょう。
ブルーグラス的ピックの使い方 〜ロング・タッチングとクロス・ピッキング〜
ピックの選び方
ブルーグラスでは1.0〜2.0mmというかなり厚めのピックを用います。ただしその場合ミディアム・ゲージ(.013〜.056)の弦がセットです。これより細いとピックに弦が負けて音が潰れてしまいます。ライトゲージ以下を使用する方はペラペラではないにせよ、1.0mm以下のものを使うといいでしょう(ちなみにブルーグラスでは現代でもミディアム・ゲージが主流です)。
シェイプは少し丸みを帯びたものが適しています。かつてはべっ甲製のものが支持を集めましたが、現在では多くのプレイヤーがプラスチック製の量産品を使っています。手に入れやすいものとしてはJim DunlopのPrimetone(写真1)、D’AndreaのPro Plecシリーズ(写真2)、ライトゲージ以下の方にはJim DunlopのULTEXなどがお勧めです。
参考までに今をときめく若きフラットピッカーの使用ピックも見てみましょう。クリス・エルドリッジやビリー・ストリングスが愛用するのは、当代のトッププレイヤーたちから絶大な支持を集めるBluechipシリーズ(写真3)。国内相場で1枚¥5,000は下らない高級ピックですが、驚くほど音圧とトーンを底上げしてくれるので、チャンスがあればぜひ体験してみてください。一方、モーリー・タトルの愛用ピックはそこまで高価ではないJim DunlopのJazztone 207(写真4)。三角型を選ぶプレイヤーが多い中でシェイプも独特ですね。本人曰く“これじゃないと弾けない”とか。
内容
- ピックの選び方
- ロング・タッチングを習得すべし
- ピックの持ち方
- ロング・タッチングの典型
- アップ・ピッキングとオルタネイト・ピッキングのコツ
- クロス・ピッキングの妙技にトライ!
- 「ワイルドウッド・フラワー」風の実践フレーズ
詳細はアコースティック・ギター・マガジン2023年3月号、Vol.95をご覧ください。