コード進行に沿ったメロディの作り方 『アコギで音楽理論講座』第12回 by ドクターキャピタル

作曲と即興が上達するために

 まいど! ドクター・キャピタルです。

 音楽理論を何のために勉強するか?という質問に対して私たちはたくさんの理由があげられますね。スケールやインターバルを練習しておくと、さまざまなメロディ、リフやソロが弾きやすくなって、覚えやすくなります。ハーモニーがわかるとコード進行の耳コピーや暗記も簡単になるし、ジャズ、ロック、カントリーなどジャンル別のよくあるコードを使い分けることもできたり、とにかく表現力が上がります。音楽理論を使って曲の分析をすると、その作品の細かいニュアンスまで探ったり注目したりすることができ、音楽の聴こえ方が深まります。音楽の力に敏感になり、音楽の楽しみが増します。

 そしてご自身の作曲と即興が上手になります! ここで言う“上手”は、第三者からみて“あの人は作曲や即興が上手だ”というまわりからの評価よりも、“私自身が理想だと思っている作曲や即興ができている!”という自己評価の感覚のことです。

コードに対する、メロディの分析法

 Ex-1では、上にはコードの表記(C、G、Fm、B)があり、その下に数字の付いた音符があります。まずは目をとおしてみてください。シャープやフラットが付いていない、R、2、3、4、5、6と7の音は、Cメジャー・スケールの構成音(ドレミファソラシ)であることがわかります。Rは伴奏のCメジャー・コードのルート音を指しています。♭2は、Cメジャー・コードのルート音(ド)に対する短2度になり、♯2は、増2度になります。そもそもメジャー・コードの構成音はR、3、5の3つになるので、Cメジャー・コードに対して♭2のメロディの音は不協和に聴こえるでしょう。つまりこの分析でメロディとコードの相性が予測できます。

 コードがGメジャーに変わると、“ド”のメロディはコードに対するルート音ではなく、4度になり、Fmコードの時に“ド”のメロディは5度になります。こうやって各コードのルート音に対するインターバルを把握しながら、メロディの分析をしていきましょう。

Ex-1

コードにこだわらないメロディ

 ブルーズやロック・ギターのソロを即興する時、一般的に多いのは、あまりコード進行を考えすぎずに、ただマイナー・ペンタトニック・スケールやブルーズ・スケールで格好いいフレーズを弾くことです。例えばEx-2では、よくあるブルーズっぽいメロディが、たくさんのセブンスコードに対して“とにかく格好いいブルーズ!”を表現します。ぜひ弾いてみてください。ブルーズの強い味が、細かいインターバルの分析に完全に勝ってしまいます。ちなみに、僕はこのようなメロディが大好きです。本当にたくさんの名曲で聴けますので、私たちギタリストは、これからもずっと、コードに勝つような濃い味のメロディを捨てないでいきましょう。

Ex-2

続きはアコースティック・ギター・マガジンVol.99本誌にてご覧ください。

ドクターキャピタルによる実演動画

誌面のエクササイズ譜例と合わせてチェックしてみてください!

第12回の内容

詳細はアコースティック・ギター・マガジン2024年3月号、Vol.99をご覧ください。

アコースティック・ギター・マガジン 2024年3月号 Vol.99

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ドクターキャピタル

どくたーきゃぴたる アメリカ出身大阪在住ギタリスト、シンガーソングライター。音楽博士号を持ち、名門/南カリフォルニア大学の教壇に立つ現役のプロフェッサーで、ソロやユニットなどさまざまな音楽活動を継続。日本文化にも精通し、バリバリの関西弁を駆使した“Dr. Capital’s JPOP講座”で、YouTuberとしても存在感を高めている。

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