演奏にノリを持たせるための感覚|アコギ上達100の裏ワザ:第84回

アコースティック・ギターが上手くなりたい人のための“アコギ上達100の裏ワザ”。すべてのアコギ弾きに役立つヒントを紹介!


ノリを持つには
➡音を出す寸前のノリをつかめ

レコーディングを行う際、最も難しいリズムは、自分が音を出し始める1小節目です。それまでに他の楽器のサウンドや、ガイドの“1、2、3、4”というカウントがあったとしても、いざ録音してみると“2小節目以降はノってプレイできているのに、1小節目だけが乗れていない”ということがよくあります。

レコーディングには“コピー&ペースト”という機械的なワザを使う方法もありますが、それはそれとして、ちゃんと自分でノってプレイしたいですよね。

では、跳ねたリズムのシャッフルで説明しましょう。Ex-1を弾くときに、Ex-2を想定して練習してください。カウントは“ワンン、ツゥゥ、スリィィ、フォォォ”と3連で数えます。

Ex-1、Ex-2
リズムの取り方は寸前の裏拍から意識する

シャッフルの基本的表現は、3連符の中抜きですね。このリズムを“ズンチャ-ズンチャ-ズンチャ-ズンチャ-”とノるのは妥当でもありますが、あえて“チャズン-チャズン-チャズン-チャズン-”でノる練習を繰り返すのです。こうすると、半拍前の手前の小節から数えることになります。

これが、1拍目を上手くプレイするリズムの感じ方なのです。なぜならば、1拍目の前に必ず“前の小節の4拍目の裏のリズムがあって音はスタートする”からです。

ここで説明した“チャズン”は、1個の固まりみたいなものとして感じましょう。その体感方法は、練習時に慣れてしまうことです。なぜこれが良いのかは、難しい話になってしまいますが(証明になるかどうかも微妙ですが)、楽曲のエンディングは“ズン”で終わります。“チャ”では終わりませんよね? これがヒントです。

また、この意識をシャッフル以外で考えても、すべての拍のノリは“前のノリがあって初めて次のリズムがある”ということになります。カウントがなければ音楽はスタートできないのです。

以下のEx-3を練習するにも、Ex-4のようなゴースト・ノートのブラッシングを入れてフレーズを練習すれば、16分音符のノリが備わってきます。

Ex-3、Ex-4
ゴースト・ノートを感じてプレイ

休符の間も16分音符でノることが重要です。逆に言えば、このブラッシングを感じられない人は、2小節目の16分音符でリズミカルなノリを出せないということです。

アコギ上達100の裏ワザ

著者プロフィール

いちむらまさき

岐阜出身のギタリスト&ウクレリスト&ライター。音楽制作、ソロ・ギター・スタイル、インストラクターなどで活動。

著作に『ギター・コードを覚える方法とほんの少しの理論』、『楽譜を見えるのがうれしくなる方法とプレイに直結させるコツ』、『音楽理論がおもしろくなる方法と音勘を増やすコツ』、『コード進行を覚える方法と耳コピ&作曲のコツ』、『ピアノでコードを覚える方法とほんの少しの理論』、『ギターを弾いているだけで音感がアップする方法』、『ブルース・ギターをはじめる方法とプレイ幅を広げるコツ』、『ギター・スケールを覚えないでアドリブをはじめる方法』、『ウクレレのお手入れ&お手軽カスタマイズを楽しむ本』、『ジャズコで聴き比べる歪みエフェクター97』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本 リズム強化編』、『ギター上達100の裏ワザ』、『ギター作曲100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDエレクトリック・ギター』、『アコギ上達100の裏ワザ』、『耳コピ上達100の裏ワザ』、『ライブ上達100の裏ワザ』、『ウクレレ上達100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDウクレレ』、『気づいた人から上手くなる! ギタリストのハテナに答えます!』、『ギターで作曲する方法とほんの少しのコード理論』(すべてリットーミュージック刊)など。

◎公式サイト:https://blog.goo.ne.jp/ichimuramasaki

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