ミュートでリズム表現|アコギ上達100の裏ワザ:第37回

アコースティック・ギターが上手くなりたい人のための“アコギ上達100の裏ワザ”。すべてのアコギ弾きに役立つヒントを紹介!


メリハリのある休符を弾くには
➡叩くように右手を乗せる

譜例(Ex-1、Ex-2)
休符を右手でミュートする練習

譜例は、裏ワザ034裏ワザ035の譜面表現違いです。Ex-1のプレイを躍動感あるように弾くには、Ex-2のように考え、“ > ”で右手の指をパチン!と弦に叩くように乗せて、アタック音を出します。右手の腹でミュートするのではなく、あくまでも指でミュートするのです。

運指は、1弦が薬指、3弦が人差指、5弦が親指です。左手の人差指と薬指で何となく2弦はミュートされ、親指を5弦に乗せると必然的に6弦もミュートされることを、実際に弾いて確認しましょう。

このように、右手の動きを瞬時に自分で選択することが、表現の違いをいろいろと増し、上手いギタリストへ成長していくことになります。

昨今では、“ヒッティング”と呼ばれるギターのボディ叩きとか、マイケル・ヘッジスや押尾コータロー氏のような弦叩きが注目されていますが、それ以外、いやその前に習得すべきピッキング方法が数多くあることを知っておきましょう。

イラスト

ところで、よく“ミュートはどこでやったらいいのですか?”と質問をされるのですが、答えは1個ではありません。2個でも3個でもありません。両手のありとあらゆる場所がミュートに使えるのです。

意識としては、“止めたい音を最も止めやすい場所で止める”と言えます。例えば、6弦を止めたいときは左手の親指でも右手の腹でもミュートできる、1弦を止めたければ左手の余った指でも右手の余った指でもミュートできる、3弦を弾くときには右手の薬指で1弦、中指で2弦、親指で4〜6弦という複数のミュートも使える……などと、一瞬ごとに自分のやりやすい場所でミュートするわけです。

ただ、それを細かく考えていくのでなく、練習しているうちに少しずつ無意識のうちに攻略することが大切です。その中には、“ミュートをしないほうがいい”という判断も含みます。

また、目的としては、“ピッキングするミュート”、“ピッキングしないミュート”、“鳴らした音を止めるミュート”、“振動しないように安全パイとして止めておくミュート”、それと左ページのように“これから弾く音を際立たせるためにアタック音を出すミュート”など、いろいろ挙げられます。

さらに細かく言えば、右手の腹でミュートするにも、ブリッジの上に手を置くのと、弦に乗せてしまうのと、ブリッジと弦をまたがって置くのとではサウンドが違うわけで、それらを無意識にコントロールするのが上手いプレイなのです。

アコギ上達100の裏ワザ

著者プロフィール

いちむらまさき

岐阜出身のギタリスト&ウクレリスト&ライター。音楽制作、ソロ・ギター・スタイル、インストラクターなどで活動。

著作に『ギター・コードを覚える方法とほんの少しの理論』、『楽譜を見えるのがうれしくなる方法とプレイに直結させるコツ』、『音楽理論がおもしろくなる方法と音勘を増やすコツ』、『コード進行を覚える方法と耳コピ&作曲のコツ』、『ピアノでコードを覚える方法とほんの少しの理論』、『ギターを弾いているだけで音感がアップする方法』、『ブルース・ギターをはじめる方法とプレイ幅を広げるコツ』、『ギター・スケールを覚えないでアドリブをはじめる方法』、『ウクレレのお手入れ&お手軽カスタマイズを楽しむ本』、『ジャズコで聴き比べる歪みエフェクター97』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本 リズム強化編』、『ギター上達100の裏ワザ』、『ギター作曲100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDエレクトリック・ギター』、『アコギ上達100の裏ワザ』、『耳コピ上達100の裏ワザ』、『ライブ上達100の裏ワザ』、『ウクレレ上達100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDウクレレ』、『気づいた人から上手くなる! ギタリストのハテナに答えます!』、『ギターで作曲する方法とほんの少しのコード理論』(すべてリットーミュージック刊)など。

◎公式サイト:https://blog.goo.ne.jp/ichimuramasaki

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