アコースティック・ギターが上手くなりたい人のための“アコギ上達100の裏ワザ”。すべてのアコギ弾きに役立つヒントを紹介!
文:いちむらまさき イラスト:花くまゆうさく
※本記事は『アコギ上達100の裏ワザ』(小社刊)の内容を転載したものです。
左手指の力を抜くには
➡ 弾く前に必ず手を洗え
左手指の話です。初心者のうちは、“皮膚が固くなるほど練習しなきゃダメだ”と勘違いしている人が多いようです。確かに、初心者は弦を押さえる指のてっぺんの皮膚が固くなったりします。が、上級者の皮膚はほぼ柔らかいままです。なぜなら、必要以上に力を込めないで弦を押さえることができるからです。
といっても、この力の抜き具合は、1年や2年で覚えられるものではありません。他のプレイ上達と共に、少しずつわかるようになっていくものです。そりゃ4時間連続で弾いていれば皮膚が剥けてきたりしますし、右手指よりは固い感じにもなりますが、たぶん僕の指は、あなたよりも柔らかいと思います。
実際、僕は親指の腹(指紋の部分)で6弦を押さえることが多いのですが、親指はまったく固くなりません。これは、指が固くなくても弦は押さえられるという証明です。そこの域に到達するには、ギターを始めてから5年以上かかるかもしれませんが、とりあえずは“力を入れ過ぎないように押さえるのが上手い”、“上手い人の皮膚は固くない”ということを意識しておいてください。
ところで、僕はギターを弾く前に、必ず手を洗います。生活の延長でギターを触ると、手に汗をかいていたり見えない汚れがあったりして、良くありません。スムーズに手を動かすためにも、手はいつもきれいにしてから(石鹸は任意)、練習にも本番にも向かうといいでしょう。
そして、この手を洗うという行為が、常に皮膚が柔らかいままでギターが弾けることへの訓練にもなるのです。手を洗わず、もしくは、指が固い状態のまま練習に入ると、皮膚はさらに酷使され、さらに固まっていきます。一方、いつも手を洗って練習をする人は、常に柔らかい皮膚のまま、力を入れ過ぎないで弦を押さえられるようになるわけです。
ぬるいお茶で手を洗うというミュージシャンもいますが、この辺りは、ウーロン茶がいいのか緑茶がいいのかなど、科学的な裏付けが必要かもしれないので、僕には確定できません。まぁ、僕の場合は水で手を洗うので十分ですね。
ちなみに、フィンガーピッカーの右手指の固さは千差万別です。僕の右手指はフニャフニャですが、トミー・エマニュエルは、子供の頃から指でギターを弾いているため、指先がカチコチに固まっていました。だからこそ、あのピック弾きのような音が出せるのです。