左手指は固くならない|アコギ上達100の裏ワザ:第11回

アコースティック・ギターが上手くなりたい人のための“アコギ上達100の裏ワザ”。すべてのアコギ弾きに役立つヒントを紹介!


左手指の力を抜くには
➡ 弾く前に必ず手を洗え

イラスト

左手指の話です。初心者のうちは、“皮膚が固くなるほど練習しなきゃダメだ”と勘違いしている人が多いようです。確かに、初心者は弦を押さえる指のてっぺんの皮膚が固くなったりします。が、上級者の皮膚はほぼ柔らかいままです。なぜなら、必要以上に力を込めないで弦を押さえることができるからです。

といっても、この力の抜き具合は、1年や2年で覚えられるものではありません。他のプレイ上達と共に、少しずつわかるようになっていくものです。そりゃ4時間連続で弾いていれば皮膚が剥けてきたりしますし、右手指よりは固い感じにもなりますが、たぶん僕の指は、あなたよりも柔らかいと思います。

実際、僕は親指の腹(指紋の部分)で6弦を押さえることが多いのですが、親指はまったく固くなりません。これは、指が固くなくても弦は押さえられるという証明です。そこの域に到達するには、ギターを始めてから5年以上かかるかもしれませんが、とりあえずは“力を入れ過ぎないように押さえるのが上手い”、“上手い人の皮膚は固くない”ということを意識しておいてください。

ギターを弾く前には必ず手を洗おう!
ギターを弾く前には必ず手を洗おう!

ところで、僕はギターを弾く前に、必ず手を洗います。生活の延長でギターを触ると、手に汗をかいていたり見えない汚れがあったりして、良くありません。スムーズに手を動かすためにも、手はいつもきれいにしてから(石鹸は任意)、練習にも本番にも向かうといいでしょう。

そして、この手を洗うという行為が、常に皮膚が柔らかいままでギターが弾けることへの訓練にもなるのです。手を洗わず、もしくは、指が固い状態のまま練習に入ると、皮膚はさらに酷使され、さらに固まっていきます。一方、いつも手を洗って練習をする人は、常に柔らかい皮膚のまま、力を入れ過ぎないで弦を押さえられるようになるわけです。

ぬるいお茶で手を洗うというミュージシャンもいますが、この辺りは、ウーロン茶がいいのか緑茶がいいのかなど、科学的な裏付けが必要かもしれないので、僕には確定できません。まぁ、僕の場合は水で手を洗うので十分ですね。

ちなみに、フィンガーピッカーの右手指の固さは千差万別です。僕の右手指はフニャフニャですが、トミー・エマニュエルは、子供の頃から指でギターを弾いているため、指先がカチコチに固まっていました。だからこそ、あのピック弾きのような音が出せるのです。

アコギ上達100の裏ワザ

著者プロフィール

いちむらまさき

岐阜出身のギタリスト&ウクレリスト&ライター。音楽制作、ソロ・ギター・スタイル、インストラクターなどで活動。

著作に『ギター・コードを覚える方法とほんの少しの理論』、『楽譜を見えるのがうれしくなる方法とプレイに直結させるコツ』、『音楽理論がおもしろくなる方法と音勘を増やすコツ』、『コード進行を覚える方法と耳コピ&作曲のコツ』、『ピアノでコードを覚える方法とほんの少しの理論』、『ギターを弾いているだけで音感がアップする方法』、『ブルース・ギターをはじめる方法とプレイ幅を広げるコツ』、『ギター・スケールを覚えないでアドリブをはじめる方法』、『ウクレレのお手入れ&お手軽カスタマイズを楽しむ本』、『ジャズコで聴き比べる歪みエフェクター97』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本 リズム強化編』、『ギター上達100の裏ワザ』、『ギター作曲100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDエレクトリック・ギター』、『アコギ上達100の裏ワザ』、『耳コピ上達100の裏ワザ』、『ライブ上達100の裏ワザ』、『ウクレレ上達100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDウクレレ』、『気づいた人から上手くなる! ギタリストのハテナに答えます!』、『ギターで作曲する方法とほんの少しのコード理論』(すべてリットーミュージック刊)など。

◎公式サイト:https://blog.goo.ne.jp/ichimuramasaki

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