KOYUKIがワンマン・ライブで使用したメイトンのカスタム・モデルとマーティンの1953年製0-18

フィンガースタイル・ギタリストのKOYUKIが2025年5月に開催した“KOYUKI〜Country & Witch〜 Release Live at COTTON CLUB”。同公演では、トミー・エマニュエルのカバーと自身のオリジナル曲でメイトンのKOYUKI CUSTOMを、レオ・コッケの「Last steam Engine Train」を始めとするカントリー楽曲のカバーではマーティンの0-18を使用。
この2本のアコースティック・ギターと、アンプやペダルボードを写真とともに見ていこう。

取材・文=角 佳音 機材撮影=アコースティック・ギター・マガジンWEB編集部

Maton/KOYUKI CUSTOM 2022

Maton/KOYUKI CUSTOM(前面)
Maton/KOYUKI CUSTOM(背面)

名匠アンディ・アレンが手がけたKOYUKIのための1本

KOYUKIのメイン・ギターは、2022年に完成したメイトンのカスタム・ギター“KOYUKI CUSTOM”。当時のマスター・ルシアー=アンディ・アレンが手がけたモデルで、トップにはAAAグレード・スプルース、サイド&バックには木目の美しいマスター・グレード・フィギュアドQLDメイプルを採用している。

ヘッドに描かれた蝶のインレイや、ロゼッタとネックのツタ模様はKOYUKIのアイディアで、ロゼッタの“K”という彼女のイニシャルは、アンディによるサプライズで入れられたものだそう。

KOYUKIは指が細く、爪も薄いため、高音域がキンキンしてしまうことに悩んでいたが、そのことをアンディへ相談したところ、“トップだけ塗装することで、ふくよかなサウンドが鳴るようにしましょう”と解決策を提案してくれたそう。実際のサウンドについてKOYUKIは、“柔らかく、ふくよかな音が鳴ってくれるので、すごく気に入っています”とコメントしてくれた。

トミー・エマニュエルの「Only Eliot」や「Lewis & Cleark」、オリジナル曲「Edelstein」などで、そのサウンドを聴かせてくれた。

またピックアップは、メイトンのAPMicが搭載されている。

ペグ
パーロイド・ボタンのグローバー製ペグを採用
ロゼッタ
ロゼッタの下部に描かれた“K”の文字は、ルシアーのアンディ・アレンのアイディアで入れられたもの

Martin/1953 0-18

Martin/1953 0-18(前面)
Martin/1953 0-18(背面)

KOYUKIが幼少期からステージをともにするファースト・ギター

KOYUKIが10歳の時、ファースト・ギターとして手にした1953年製のマーティン0-18。本器には、プリウォー・モデルの0-18と同じくアディロンダック・スプルースがトップに採用されていると思われ、小柄なボディ・サイズながら鳴りのよさを持ち合わせる1本。「Last Steam Engine Train」や「Black Mountain Rag」などのカントリー楽曲のカバーなどで登場した。

作曲時にも本器を使っているとのことで、“生音がいいので、ライブはもちろんですが、部屋弾きでもインスピレーションを呼び起こす意味で、ダントツでいいギターです”と語ってくれた。

取りはずし可能なフィッシュマンのRare Earth Blendを搭載している。

ペグ
ビンテージ感を漂わせるオープンバック・ペグ
Fishman/Rare Earth Blend
フィッシュマンのRare Earth Blendをマウント

Pedalboard

ペダルボード
①AER/dual mix1(プリアンプ/DI)
②BOSS/TU-3W(チューナー)
③Hungry Robot Pedals/Wash V2 Tap Tempo(ディレイ/リバーブ)
④FREE THE TONE/AMBI SPACE / AS-1R(リバーブ)
⑤CAJ / DC/DC StationⅡ(パワー・サプライ)

KOYUKIのライブ用のサウンドシステムは、ギターからAERのプリアンプ①に入力され、信号が2系統に分かれる。①のDIアウトの信号が直接PAに送られ、LINEアウトの信号は②〜④を経由し、後述するAERのアンプへと送られている。アンプのDIアウトからPAに信号を送り、2種類のサウンドをミックスして出力していた。

リハーサル時にはそのミックスやリバーブの具合を入念にチェックし、編集部が観た1stステージでは、“DI:アンプ=7:3”という比率で調整された。

Amplifier

AER/Compact60/4(表面)
AER/Compact60/4(表面)
AER/Compact60/4(裏面)
AER/Compact60/4(裏面)

KOYUKIがライブで使用するアンプは、AERのCompact60/4。チャンネル1を使用し、ゲインは9時、ベース、ミドル、トレブルは12時にセッティング。アンプのエフェクトは不使用。

コントロール
コントロール

Other Items

小物類
①SHUBB/C1p-B Paua Pearl
②Kyser/Quick-Change Acoustic Guitar Capo Gold
③Morris/CT-5
④Terry Gould/Small White
HERCULES/FS100B
HERCULES/FS100B

KOYUKIがライブで使用するアクセサリー類は、写真上部のポーチに収納されている。

また、公演中は、数曲のみ立ち上がってプレイしていたが、基本的には着席し、ヘラクレスの足台“FS100B”を使用してギターをプレイしていた。

『KOYUKI ~Country & Witch~』KOYUKI

KNRS1002/2025年4月23日リリース

  1. Edelstein
  2. Orange Rogue
  3. ヴァルプルギスの夜 (2025 ver.)
  4. Green Witch (2025 ver.)
  5. Angriff
  6. TIME TRAIN (2025 ver.)
  7. Get Going (2025 ver.)
  8. Lewis & Clark
  9. Digitalia
  10. Black Mountain Rag
  11. Little Martha
  12. The Last Steam Engine Train (2025 ver.)
  13. Anji

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