崎山蒼志の“キレ”を生み出すサウンドシステムと、アイコニックなオベーションAdamas

崎山蒼志が愛用するオベーションのAdamasとライブ用のサウンドシステムを紹介。2025年3月に森 大翔との弾き語りツーマン“響演”で聴かせた、キレのあるサウンドがどのように生み出されているのかを見ていこう。

撮影/文=福崎敬太

Ovation/Adamas Custom

Ovation/Adamas Custom(前面)
Ovation/Adamas Custom(背面)

好みのカスタマイズを施したオベーションの最高峰

2020年に完成して以来、メインとして活躍するオベーションのAdamas。ヘッドやブリッジは彫刻を施さないオベーションのスタンダード・スタイル、ペグはクローム・カラーを選択するなどのカスタマイズをオーダーした1本。

カーボン・ファイバー・トップのボディ・カラーもこだわりで、エメラルド・グリーンとホワイトのグラデーションは、独創性に溢れるチョイスだ。

今回のステージでも全曲を本器でプレイ。「逆行」のハードなカッティングから「国」のフォーキーなアルペジオ・バッキング、そして「Samidare」のアレンジ・バージョンではラテンを感じさせるリズムのコード・ワークまでを聴かせたが、そのどれもが“崎山サウンド”と呼べるエッジを感じる質感だった。

弦はダダリオのEJ11(80/20ブロンズ、.012-.053)。

プリアンプ
プリアンプ・システムは純正のOP-PRO/STUDIO。EQやエクスプレッサーはフル・フラット、ドライブは12時でゲインは11時

Ovation/C2078AXP-STB

Ovation/C2078AXP-STB(前面)
Ovation/C2078AXP-STB(背面)

“木”の肌触りを感じるオベーション

この日はサブとしてステージ袖にスタンバイしていた、オベーションのC2078AXP-STB。木目が華やかなエキゾチック・ウッドをボディ・トップに採用したシリーズで、本モデルはサペリを採用している。

曰く“Adamasよりも木の部分が多いので、よりエレアコっぽい音がするんだと思うんです。Adamasはめっちゃカーボン”とのこと。

ピック
ピックはオリジナルのオニギリ型で、厚さは0.60mm程度とのこと
カポ
カポはフランジャーのFC-01を使用

Pedalboard

ペダルボード

中学生時代から愛用するプリアンプ/DI

BOSSのTU-3s(①:チューナー)とL.R.バッグスのSession Acoustic DI(②:プリアンプ/DI)、カスタム・オーディオ・ジャパンのAC/DC Station VI(③:パワーサプライ)のみというシンプルな崎山のペダルボード。

②は中学生の頃から使用しているそうで、全機材の中で最古参。“オベーションを使う時はこの設定と”いうことで、ゲインは12時、サチュレートは11時に固定。本機のDIアウトからPAに出力するほか、アンバランス・アウトから後述するアンプへ出力している。

ちなみに、このボードにエレクトロ・ハーモニックスのFreeze(サステイナー)を組み込み、音を伸ばす演出をすることもあるそう。

Roland/JC-120

Roland/JC-120

ロー成分を担うギター・アンプ

普段はローランドのRB-60を使用しているが、今回は会場でレンタルしたJC-120で出力したものをマイクで集音。DIからのラインアウトでミッド〜ハイ成分、アンプでロー〜ミッド成分を出すイメージで音作りをしているという。ミックス具合はざっくりと、ライン:アンプ=6:4くらいとのこと。

以前、オベーションの担当者から“ベース・アンプから出している人が多い”という情報を聞き、自分のステージでもそのスタイルを採用したそう。

コントロール
EQはトレブル=2、ミドル=4、ベース=3。トレブルはこれでも上げているそうで、会場によってはゼロにすることのほうが多いそう

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