カイ・ペティートのHiramitsu Guitars“Kai Petite Custom” Baritone Guitar|AGM GUITAR GRAPH -Volume 97-

自身のソロ作品のほか、小沼ようすけと沼澤尚(d)との“The Timeless Nation”などさまざまなユニットでも活動を続けるカイ・ペティート。

Hiramitsu Guitars主宰/平光泰典氏とともに、約10年間をかけて試行錯誤した末に完成させた“Kai Petite Custom” Baritone Guitarを紹介しよう。

撮影:八島 崇
※本記事は、アコースティック・ギター・マガジンVol.103の「AGM GUITAR GRAPH -Volume 97-」を抜粋・再編集したものです。

Hiramitsu Guitars/“Kai Petite Custom” Baritone Guitar

Hiramitsu Guitars/“Kai Petite Custom” Baritone Guitar

長年の構想が実ったバリトン・ギター

以前からベース弦を張った“変態ギター”と自称するブリードラブを愛用していたが、よりそのチューニングに特化したギターができないかとカイは長年構想していた。

5〜6弦にベース弦を張り、1〜4弦はナッシュビル・チューニングのように3〜4弦がオクターブ上というカイ独自のチューニングで、6弦をローAに設定したADGCEAであった。これをバリトン・ギターのように長いスケールでできないか、そうすればもっと低い独自の音像が得られるのではないかと。

Hiramitsu Guitars主宰/平光泰典氏と試行錯誤を始めたのが、約10年前のこと。670mmスケールでプロトタイプを作ったが、実用には向かず、さまざまな改善点が見えたという。最終的にフェンダーのベースVIと同じスケールの30インチ(762mm)スケールでの挑戦となり、2021年暮れにひとまず完成。

かなり良い線までいっていたが、低音弦のフレットノイズが気になり、打ち込んでいたフレットを抜いて5〜6弦のフレットレス化を決行。当初6弦はローEを目指していたが、あらゆる種類の弦を試してみて、6弦はローGに設定したGCFB♭DGが適切だ、という決断となった。

2024年春に現在の形となる。トップはジャーマン・スプルース、サイド&バックはホンジュラス・ローズウッドからなるボディ幅は435mm(17インチ強)。“ひらみつブレイシング”というオリジナルなブレイシング・スタイルが採用されている。

30インチのスケールを持つネックはホンジュラス・マホガニー/エボニー指板。ブリッジはマダガスカル・ローズウッド。ピックアップはフィッシュマン・レアアース・ブレンドを搭載して使用している。


カイ・ペティートが、“変態チューニング”と称するチューニングのこだわりなどを語ったコメントは、アコースティック・ギター・マガジン2025年3月号 Vol.103に掲載!

アコースティック・ギター・マガジン2025年3月号 Vol.103

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