Hiramitsu Guitars/“Kai Petite Custom” Baritone Guitar
長年の構想が実ったバリトン・ギター
以前からベース弦を張った“変態ギター”と自称するブリードラブを愛用していたが、よりそのチューニングに特化したギターができないかとカイは長年構想していた。
5〜6弦にベース弦を張り、1〜4弦はナッシュビル・チューニングのように3〜4弦がオクターブ上というカイ独自のチューニングで、6弦をローAに設定したADGCEAであった。これをバリトン・ギターのように長いスケールでできないか、そうすればもっと低い独自の音像が得られるのではないかと。
Hiramitsu Guitars主宰/平光泰典氏と試行錯誤を始めたのが、約10年前のこと。670mmスケールでプロトタイプを作ったが、実用には向かず、さまざまな改善点が見えたという。最終的にフェンダーのベースVIと同じスケールの30インチ(762mm)スケールでの挑戦となり、2021年暮れにひとまず完成。
かなり良い線までいっていたが、低音弦のフレットノイズが気になり、打ち込んでいたフレットを抜いて5〜6弦のフレットレス化を決行。当初6弦はローEを目指していたが、あらゆる種類の弦を試してみて、6弦はローGに設定したGCFB♭DGが適切だ、という決断となった。
2024年春に現在の形となる。トップはジャーマン・スプルース、サイド&バックはホンジュラス・ローズウッドからなるボディ幅は435mm(17インチ強)。“ひらみつブレイシング”というオリジナルなブレイシング・スタイルが採用されている。
30インチのスケールを持つネックはホンジュラス・マホガニー/エボニー指板。ブリッジはマダガスカル・ローズウッド。ピックアップはフィッシュマン・レアアース・ブレンドを搭載して使用している。
カイ・ペティートが、“変態チューニング”と称するチューニングのこだわりなどを語ったコメントは、アコースティック・ギター・マガジン2025年3月号 Vol.103に掲載!
アコースティック・ギター・マガジン2025年3月号 Vol.103