Irish Bouzouki
K.Yairi/Trad Series BOY2(2015)
OAUの音像にピッタリとハマったアイリッシュ・ブズーキ
ヤイリギターから“OAUのサウンドに合うと思うので、使ってください”と贈られ、コロナ禍に行なった練習を経て導入されたブズーキ。『Tradition』(2023年)でも使われ、現在のOAUではTOSHI-LOWのメイン楽器となっている。
ライブでも全編で使用され、「夢の跡」では印象的なスライド・プレイを、「Again」ではコードでの弾き語りからスタートするなど、ギターだったフレーズもブズーキにコンバートしてプレイ。
以前はサブだった2015年製の本器だが、“鳴りが深くなってきた”そうで現在はメインとして使われている。
また、ブズーキならではのサウンドについても、“ギターとは違う帯域で、サステインも長い。それに訛っている感じがあって、複弦のハーモニーがメジャーとマイナーのどちらにもいけるんです。それがバンドの音色の間をうまく支えてくれる”と魅力を語ってくれた。
K.Yairi/Trad Series BOY2(2018)
HEATWAVEの山口洋からの薦め
ここで改めて、基本情報を押さえておこう。ラウンド・バックのギリシャ・ブズーキとは異なり、アイリッシュ・ブズーキはフラット・バック。8弦4コースでチューニングは下からGDADとなっている。
さて、以前はメインだった2018年製の本器は、この日はサブとしてスタンバイ。前出のモデルと同機種だが、本器のほうが音の抜けが良いそう。しかし、現在求める“深み”は2015年製のほうが得られるという。
両モデルともに、ブズーキ弾きでもあるHEATWAVEの山口洋による薦めで、フィッシュマンのPrefix Pro Preampを搭載。4バンドEQはフラットな位置からベースのみ少し上げて使用している。
Pedalboard
“バンド・サウンドの中で生きる”ブズーキの音作り
TOSHI-LOWのブズーキ用ペダルボードは、①〜⑤を番号順に経由してPAへ信号が送られるシンプルな構成。
ブースター②は単音フレーズで音を持ち上げるためにオンに、リバーブ④は“深さと戻り方”を変えた3種のプリセットを楽曲の壮大さに合わせて切り替える。
そして、ブズーキのサウンドメイクで肝となるのが、ディレイ③。HEATWAVEの山口洋に相談したところ、“ブズーキなら絶対にこれを入れたほうがいい。でも廃番だから探して”と言われたが、“探したけどない”と言うと、贈ってくれたそうだ。TOSHI-LOW曰く“くれたから山口洋はいい人”とのこと(笑)。
③はかけっぱなしで、“心地いい揺らぎがある。で、その揺らぎが邪魔しないというか。すごく自然にかかるんです”とその効果を語ってくれた。
『Tradition』OAU
Track List
- Old Road
- セラヴィ -c’est la vie-
- 夢の続きを
- Time’s a River
- 世界は変わる
- Homeward Bound
- Blackthorn’s Jig
- 月だけが
- Whispers
- Family Tree
- Linden
- This Song -Planxty Irwin-
- Without You
- 懐かしい未来
トイズファクトリー/TFCC-81015(通常盤)/2023年4月12日リリース