山田将司が“とまとくらぶ”で使用するアコースティック・ギター&ライブ機材

THE BACK HORNの山田将司が村松拓(Nothing’s Carved In Stone/ABSTRACT MASH)と結成した、アコースティック・ユニット“とまとくらぶ”。その1st作『緑盤』を引っ提げ、2024年10月に初のワンマン・ライブを開催した。今回はそのステージで山田が使用したアコースティック・ギター&ペダルボードを紹介しよう。

撮影/文=福崎敬太

Guitars

Martin/000-15M StreetMaster

Martin/000-15M StreetMaster(前面)
Martin/000-15M StreetMaster(背面)

まとまりのあるサウンドでコードを紡ぐメイン器

山田がメインで使用するアコギは、オール・マホガニーのマーティン000-15Mで、使い古された風合いを演出した“StreetMaster”シリーズの1本。

ミドルに寄ったサウンドが特徴で、『緑盤』では「Sunny Side Song」のエイト・ビートの刻みや「交差点」のストロークなどで活躍。THE BACK HORNでも2023年に公開された「Days」や「冬のミルク (Rearrange)」のMVなどで、本器を弾く姿を確認できる。

また、ソロでの弾き語りでも使っており、指弾きスタイルでもミッドがきれいに響いてくれる感じがお気に入りとのこと。

ピックアップには“オススメされた”というフィッシュマンのRare Earth Magnetic Soundhole Pickupを搭載している。

ピック・ケース
ボディ・サイドにはピック・ケースを貼り付けている

Albarez Yairi/DY-200

Albarez Yairi/DY-200(前面)
Albarez Yairi/DY-200(背面)

久しぶりのサウンドに感じた可能性

5年ほど前に入手したという、2002年製のアルバレズ・ヤイリのDY-200。ドレッドノート・サイズのボディは、スプルース・トップにローズウッド・サイド&バックという材構成。

しばらくケースにしまっていたそうだが、2023年にリリースした『REARRANGE THE BACK HORN』の制作時に引っ張り出し、“久しぶりに音を出してみたらマーティンのキャラとも全然違うし、曲によってはすごく使えるなと思いましたね”と晴れて現場に復帰。“煌びやかな感じがして、弾いていけばもっと鳴りそう”とサウンドの印象を教えてくれた。

『緑盤』では「とまとめいと」や「タイムカプセル」などのアイリッシュのエッセンスを盛り込んだ楽曲で使用。ピックアップはフィッシュマンのRare Earth Magnetic Soundhole Pickup。

Fishman/Rare Earth Magnetic Soundhole Pickup
Fishman/Rare Earth Magnetic Soundhole Pickup

Martinez/MP-14 Rose

Martinez/MP-14 Rose(前面)
Martinez/MP-14 Rose(背面)

ギタリストとしての“根っこ”にあるガットの音

「故郷」のトレモロ・ピッキングなど、印象的なプレイを聴かせたマルチネスのエレガット、MP-14 Rose。ボディ・トップはスプルースで、サイド&バックはローズウッド、プリアンプ・システムにはフィッシュマンのClásica Blendを搭載している。

「故郷」では、村松のスティール弦のサウンドとキャラ分けをするために、本器を使ったそうだ。

また、山田が最初に弾いたのも家にあったガット・ギターであり、自宅での趣味として南米音楽をガットで爪弾いたりと、ギタリストとしてのルーツのひとつにナイロン弦の音色があるのだろう。“アコギと温度感が全然違って、より哀愁があるところが好きなんです”とのことだ。

Fishman/Clásica Blend
Fishman/Clásica Blend

Pedalboard

ペダルボード
【Pedal List】
①Xotic/SP Compressor(コンプレッサー)
②Pete Cornish/Acoustic Preamp/D.I.(プリアンプ/D.I.)
③BOSS/TU-3(チューナー)
④FREE THE TONE(PT-3D)

ピュアなサウンドを再現するシンプルなセッティング

山田がアコギ用に組んだペダルボードは、ギターからコンプレッサー①へと入り、プリアンプ/D.I.②を経由してPAへと送られる、シンプルなセッティング。②のチューナー・アウトに③がつながれている。

①は「Whaleland」のアルペジオや「故郷」のガット・ギターのフレージング、「とまとめいと」や「羅針盤」のイントロで音を持ち上げるためにオンにする。

サウンドメイクの肝となる②は、ゲインをギターによって調整。アルバレズ・ヤイリのDY-200の音が大きく、マーティンとの音量差をここで埋めるそうだ。

『緑盤』とまとくらぶ

Track List

  1. 羅針盤
  2. 春夏秋冬
  3. Sunny Side Song
  4. 風と流浪
  5. とまとめいと
  6. 交差点
  7. 故郷
  8. 逃走曲
  9. Whaleland
  10. タイムカプセル

かんじゅくれこーず/KNJK-001(通常盤)/2024年10月20日リリース

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