HISTORY/NT-C3
新たなキャリアへと導いてくれた1本
2020年にUNCHAINを脱退し、現在は島村楽器の社員となった佐藤将文。そんな佐藤がカムバックのステージで使用したアコースティック・ギターが、2014年頃から愛用してきた、島村楽器が手がけるHISTORYのNT-C3だ。
材構成は、ボディがスプルース・トップにローズウッド・サイド&バック、ネックがマホガニー、指板とブリッジがローズウッド。入手時に搭載されていたHISTORYの純正ピックアップ=HPC-2をそのまま使用しており、弦の響きをナチュラルに出力する。そのほかにも改造点はなく、弦高を低めにセッティングしている程度だそう。
本器の使用感について佐藤は、“カッタウェイつきですが、ボディ・エンドが膨らんでいるためか、しっかりと低音のふくよかな部分が出てくれます。それでいてスッキリとしつつ、抜けすぎないで馴染んでくれるので、バンド・アンサンブルにすごく合うんです。それに、ミドルの帯域にボーカルがハマるようなポケットがあるので、弾き語りにも相性が良いですね”と語ってくれた。
今回のステージでは、自身がボーカルをとった「Sugar – reminisce over 90’s」、カホンがリズムを担った「暁のコドウ」や「Flowered」、「Tonight’s The Night」、アンコールの「Precious」と「get down」で使用。
「暁のコドウ」では指板を広く使ったダイナミックな音運びからオクターブで締めるアウトロ・ソロを披露し、「Precious」のスウィンギーなリズムに合わせたメロディ・プレイを聴かせてくれた。
使用弦はElixerのNANOWEBでゲージは.012-.053。ピックはHISTORYのジャズ・ピック。
Pedals
NT-C3のナチュラルさを活かすシンプルなセッティング
佐藤の足下に用意されたアコースティック・ギター用のペダルは2台のみ。ギターからDT-10(チューナー)、FISHMANのプリアンプをとおり、PAへと送られている。
EQはローを少し足し、ミドルとハイを少し押さえたセッティング。コーラスやフランジャーといったエフェクトは使用せず、リバーブはかけっぱなしに、ソロの際にブースト・スイッチを踏む。
また佐藤は、L.R. BaggsのPara Acoustic D.I.を所有しており、アコースティック・ギターを弾く現場ではこちらを使用することも多い。