次世代アコギ・スター=マーシンが来日公演で使用したシグネチャー・ギター&サウンド・システム

フラメンコの奏法やタッピング、ボディ・ヒットなどを駆使する超絶フィンガースタイルで、世界各国から注目を集めるポーランド出身のギタリスト、マーシン(Marcin)。日本ではIchika Nitoとの共演などで知った人も多いだろう。

そんな彼が2024年5月に来日公演を開催。そこで使用したギターとサウンド・システムを紹介しよう。

文/撮影=アコースティック・ギター・マガジンWEB

Ibanez/MRC10

Ibanez/MRC10

激しいパーカッシブ・アプローチを可能に

マーシンが来日公演で使用したのは、シグネチャー・モデルであるIbanezのMRC10。これは、彼が愛用してきたAE900をベースにしたものだ。

マーシンが使ってきたAE900には、Fishman製のマグネティック・ピックアップとK&K製のコンタクト・ピエゾ・ピックアップの増設、ボディ・ヒットに耐えるためのボディ内部の補強、タッピングやスムーズな運指のための低い弦高設定など、多くの改造が施されていた。

MRC10はそのスタイルを受け継ぎながら、さらに快適なプレイアビリティを求めてブラッシュアップされた1本だ。本人曰く、“以前のピックアップ・システムはトラブルも多くてストレスを感じていたんだけど、FishmanのRare Earthを搭載した今のシステムはかなり使いやすいんだ”とのこと。

なお、流通モデルはマグネティック・ピックアップとコンデンサー・マイクの信号をブレンドしてモノラルで出力されるが、マーシンが所有しているものはステレオでそれぞれの信号が分岐して出力されるように改造されている。

Fishman Rare Earthピックアップ
マグネティック・ピックアップとコンデンサー・マイクを有するFishman Rare Earthピックアップ
ボディ・サイド
ボディ・トップはソリッド・シトカ・スプルース、サイド&バックはパーフェロー
ヘッド
ヘッドにはマーシンの“M”と“C”をモチーフにしたインレイが施されている

Sound System

ペダルボード
①BOSS/OC-3(オクターバー)、②Native Instruments/Komplete Audio 6(オーディオ・インターフェース)、③Nektar Technology/PACER(DAW/MIDIコントローラー)、④Apple/Macbook Air(PC)

シンプルかつ現代的なライブ用サウンド・システム

マーシンがライブで使用するペダルボードは、DAWのプロジェクトを活用した現代的なシステムで構築されている。

ギターからのステレオ信号は3系統に分岐する。まずマグネティック・ピックアップのシグナルがオクターバー①に入り、ダイレクト音がオーディオ・インターフェース②のインプット1へ、オクターブ音がインプット3へ。そして、コンデンサー・マイクの信号が②のインプット2へと入力されている。

PC④のLogic Proで3つのギター信号のサウンドメイクを行なうほか、バッキング・トラックなどもコントロール。足下のフットスイッチ④で、音源の再生/停止、プラグインのオン/オフなどを曲によって操作している。

『Dragon in Harmony』Marcin

ソニー/SICP-31733~4/2024年9月11日リリース

Track List(DISC1)

  1. Guitar Is Dead
  2. I Killed It
  3. When The Light Goes – featuring Portugal. The Man
  4. Cry Me A River
  5. Classical Dragon – featuring Tim Henson
  6. Smooth Operator
  7. Allergies – featuring Delaney Bailey
  8. Nardis
  9. I Don’t Write About Girls – featuring Ichika Nito
  10. Clair de Lune
  11. Cough Syrup
  12. Heart-Shaped Box
  13. Bite Your Nails
  14. Requiem
  15. Carmen(ボーナストラック)
  16. Just The Two Of Us – featuring Ichika Nito(ボーナストラック)

※DISC2は「Classical Dragon」のMVなどを収録したブルーレイ

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