Eastman / Bourgeoisの現在地を矢後憲太による演奏で探る【動画付きレポート】

サウンドメッセ in OSAKA 2024の2日目。Rittor Musicステージでは矢後憲太を迎え、2019年からタッグを組むこととなったイーストマン(Eastman)とボジョア(Bourgeois)を試奏チェック。その模様をレポートしていこう。

制作=アコースティック・ギター・マガジンWEB 動画撮影=5th Street

ついに表出し始めた、提携によるメリット

2019年にイーストマンの傘下にボジョアが入ったことにより、良い相乗効果が生まれている。名工ダナ・ボジョアのギター作りに関する知識がイーストマンに注入され、イーストマンの生産効率を利用することで価格を抑えたボジョア・ギターが実現したのだ。

そんなタッグの現在地を探ってくれたのは、イーストマン&ボジョアのエンドーサーでもある矢後憲太。あいにくこの日は喉の調子が悪く、たっぷりの演奏で各モデルの実力を体感させてくれた。

1本目はイーストマンのE22-OOSS/v。さまざまな楽器を手がける同社ならではの、バイオリンのニスによるアンティーク・ヴァーニッシュ塗装がビンテージの風合いを演出する。矢後は4カポで演奏し、スモール・ボディならではのまとまったサウンドを活かしながら、奥深い音色を聴かせてくれた。

同じ塗装を採用したJ-45スタイルのE22-SS/vでは、流れるようなアルペジオにボディ・ヒットを交えてプレイ。“フィンガースタイルも弾き語りも、色々な音楽ジャンルで使えるモダンなギター”という印象も、(声を絞り出して)語ってくれた。

続いて、ボジョアの新規軸となるタッチストーン・シリーズから、サイド&バックがマホガニーのCountry Boy/TS OMとインディアン・ローズウッドのVintage/TS Dを演奏。どちらも美しい音色を奏でたが、後者ではボディ・エンド側をタップしてリズムを創出。広いレンジ感と立体感に驚かされた。

最後はボジョアを代表するOMC Soloist。実際に矢後も愛用するモデルで、トラディショナルなスタイルもモダンなアプローチもカバーできることがお気に入りだという。ラスゲアードのようなストロークとストリング・ヒットで、OMサイズとは思えぬビッグなサウンドを聴かせてくれた。

試奏ラインナップ

Eastman/E22-OOSS/v

Eastman/E22-OOSS/v
L-00スタイルにスロッテッド・ヘッドを採用し、イーストマンのバイオリンにも用いられているアンティーク・ヴァーニッシュ・フィニッシュで仕上げられた1本。ボディはアディロンダック・スプルース・トップ&ウォルナット・サイド&バック。

Eastman/E22-SS/v

Eastman/E22-SS/v
ラウンド・ショルダーのJ-45スタイルをベースにした、アンティーク・ヴァーニッシュ・フィニッシュ採用モデル。材構成はE22-OOSS/vと同様だ。スケールは24.75インチで、ボディ幅は16インチとトラディショナルなスタイルを踏襲。

Bourgeois/Country Boy/TS OM

Bourgeois/Country Boy/TS OM
サウンドの軸となる表板の制作をボジョアが行ない、その後の工程をイーストマンが担うことで、サウンドと生産効率を両立するタッチストーン・シリーズ・シリーズ。本器は、サイド&バックにマホガニーを採用した“Country Boy/TS”のOMサイズだ。

Bourgeois/Vintage/TS D

Bourgeois/Vintage/TS D
同じくタッチストーン・シリーズ・シリーズから、サイド&バックにインディアン・ローズウッドを採用した“Vintage/TSのDシェイプ。ブレイシングはアディロンダック・スプルース材で、低音側だけスキャロップにしたボジョア独自のスタイル。

Bourgeois/OMC Soloist

Bourgeois/OMC Soloist
すべてをUSボジョアで仕上げた、ブランドを代表するOMC Soloist。ボディ・トップはイタリアン・スプルース、バック&サイドとヘッドの突板はマダガスカル・ローズウッド、指板とブリッジはエボニー。

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