こーじゅんの多種多様な奏法を実現してきた愛器、FURCH OM23CRCT

“最初で最後”のソロ・アルバム『THE FIRST AND LAST』をリリースした、ギタリストのこーじゅん。このアルバムは、チェコのギター・ブランド=FURCH(フォルヒ)のOM23CRCTによってすべての楽曲が演奏された。こーじゅんの相棒である本器について、じっくりと見ていこう。

文=福崎敬太 撮影=西槇太一

FURCH/OM23CRCT

FURCH/OM23CRCT(前面)
FURCH/OM23CRCT(背面)

“挑戦の記録”が刻まれた愛器

こーじゅんが5年以上愛用しているメイン・ギターは、チェコのギター・ブランド、FURCH(フォルヒ)が手がけるOM23CRCT。アルバム『THE FIRST AND LAST』は、本器のみで演奏された。

ボディはシダー・トップにローズウッド・サイド&バック、ネックはマホガニー、指板はエボニーという材構成。こーじゅん曰く、“スプルース・トップは「自分が知っているギターらしい音」がする。それとは違うシダー・トップならではの感じが気に入っています”とのこと。

ポイントは45mmのナット幅で、手が大きい彼にとってこれより細いネックだとコードなどの押弦が難しくなるそう。

ナット
45mm幅のナット

ピックアップにはL.R.Baggsのアクティブ・ピエゾ、iBeamを搭載しているが、レコーディングはすべてマイク録りで行なわれているため、あまり使用頻度は高くないようだ。

ボディ上には無数の傷があるが、新しい奏法を編み出している中でついたもの。その中にはギター本体を酷使するようなものも少なくはなく、一度ボディのブレイシングがすべて剥がれてしまったほど。その修理にはギター本体の価格以上かかっているそうだ。

ボディの傷
サウンドホールには、ラスゲアードなどのハードなピッキングでついた傷が多数
ボディ・サイド
ボディはシダーでサイドはローズウッド。べっ甲柄のバインディングはシックな印象

『THE FIRST AND LAST』こーじゅん

『THE FIRST AND LAST』
自主制作/2024年6月5日配信リリース

Track List

  1. Opening
  2. ヒゲ
  3. Bird
  4. 誕生
  5. 陽炎
  6. Continue
  7. 呼吸
  8. 冒険
  9. そよ風
  10. 直感
  11. 気まま
  12. Mist
  13. 秘密基地
  14. Lee
  15. スナイパー
  16. Earth
  17. 高架橋
  18. Magic
  19. 夜明け
  20. Ending

SNSでシェアする

アコースティックギターマガジン