連載の第5回目を迎え、すっかりお馴染みとなった本連載。今回は、デヴィッド・グリスマン・クインテットの1stアルバム『David Grisman Quintet』を紹介しよう。全曲マンドリンを使用している点もポイント!
なお解説は、もちろんドルフィンギターズ 大阪店スタッフの木曽誠さんだ。
楽曲データ
アーテスト:デヴィッド・グリスマン・クインテット
収録アルバム:『David Grisman Quintet』
マンドリン使用曲:全曲
名曲解説
1970年代にデヴィッド・グリスマンは、ブルーグラスをベースに、スウィング・ジャズ、フュージョン、フォーク、カリプソなどの音楽を融合させた、今までにない音楽ジャンル”DAWG(ドーグ)”を作りました。
そして1977年に記念すべき1stアルバムのデヴィッド・グリスマン・クインテット『David Grisman Quintet』を発表、バンジョーとドブロを省いたブルーグラス編成の楽器が織りなす、ジャズ・テイストでお洒落な楽曲群に当時のリスナー達は、さぞ驚いたことでしょう。
レコーディングには、グリスマンが1927年製のGIBSON F-5、2ndマンドリンのトッドも1924年製のF-5のを使用しており、しかもギターにトニー・ライスを迎え、あの有名な1935年製のラージ・ホールのD-28サウンドも聴けてしまいます。
スリリングなイントロと高速マンドリン・フレーズに息を飲む1曲目の「E.D.M」、スタイリッシュにスッキリとアレンジされた「Minor Swing」、情緒的なトレモロに趣を感じる「Blue Midnite」、表現力豊かなマンドリンのトーンについつい聴き入ってしまうこと間違いなしの内容。
ちなみに、2曲目の「Swing 51」は、トニー・ライスによるオリジナル曲となっており、自身のアルバム『Acoustics』で、ややハイテンポなバージョンが聴けます。
もはやフラット・マンドリンを語る上で外せない名盤中の名盤、そして貴重なビンテージ楽器のサウンドが堪能できるアルバムとしてもオススメの1枚です!
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選盤・文:木曽誠(ドルフィンギターズ大阪店)