“カッコ良いマンドリンが聴けるアルバム”を紹介していく連載の第4回目。今回取り上げる曲は、エリック・クラプトン『アンプラグド〜アコースティック・クラプトン』収録の「ロンリー・ストレンジャー」だ。
では、ドルフィンギターズ 大阪店スタッフの木曽誠さんによる曲解説を紹介しよう。
楽曲データ
アーテスト:エリック・クラプトン
収録アルバム:『アンプラグド〜アコースティック・クラプトン』
マンドリン使用曲:「ロンリー・ストレンジャー」
名曲解説
1992年に発表されたエリック・クラプントンの伝説的アルバム、『アンプラグド〜アコースティック・クラプトン』。トータルセールスは2600万枚越え、数々のグラミー賞も受賞し、最も売れたライブ盤としてギネスを記録しました。
必聴は、2ndギターのアンディー・フェアウェザー・ロウが奏でる「ロンリー・ストレンジャー」でのフラット・マンドリン(ディアンジェリコのダブル・ポイント! 超超超レア!)。言い過ぎかもしれませんが、このあたりからボピュラー・ミュージックの世界でも、徐々にマンドリンが認知されはじめたのではないでしょうか?
そして、このアルバムの革新的な部分は、アコースティック楽器の持つアナログな魅力を電子ミュージック全盛の時代に発表したと同時に“既存曲のアコースティック・アレンジ”という、今では当たり前なアプローチを一般化させたことにあります。またクラプトン自身が若い時に好んで演奏していたカントリーブルース曲を取り上げるなどの“ルーツ・ミュージックへの回帰”といったテーマもこのアルバムの特徴と言えるでしょう。
「ロンリー・ストレンジャー」や「マイ・ファーザーズ・アイズ(これはデラックス・エディションに収録)」での主張しない伴奏やトレモロなど、ギタリストがサブで弾くマンドリン!といった感じの、ラフで味わいのある演奏を聴くことができます。
このアルバムが世界に与えた影響は計り知れず、現在のアコースティック・ギターの市場を作ったとも考えられます。
もし”アンプラグド”が無ければ、我々の業界はどうなっていたか・・・怖いので考えないことにします。
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選盤・文:木曽誠(ドルフィンギターズ大阪店)