ヘッドフォンを使う理由と気をつけたいポイント 『おひとり様ギタリストのための音楽制作入門』by 関口シンゴ 第4回

文=関口シンゴ イラスト=山本蛸

当たり前だけどスピーカーから音が出ているのはNG!

アコギを録る時に必需品なのがヘッドフォン。

スピーカーから音が出てしまうとマイクにもその音が入ってしまうので、必ずスピーカーから音が出ないようにミュートして(モニター出力をゼロにして)ヘッドフォンで聴きながら録音しましょう。

“そんなの基本でしょ!”と思うかもしれませんが、もうプロで何年もやっている僕でも時々スピーカーから音が出てる状態でレコーディングしてしまっていることがあります……。

ヘッドフォンをしていると外の音がよく聴こえなくなるので気をつけましょうね。

FOSTEX/T50RP mk4
最近はFOSTEXやDENONのヘッドフォンを使っています

ヘッドフォンで気をつけたいふたつのこと

ヘッドフォンで気をつけたいことが2点あります。ひとつは「クリック漏れ」です。

クリックを流しながら録音する場合、あまりヘッドフォンの音量を上げ過ぎるとクリックの音がヘッドフォンから漏れて、それをマイクで拾って録音されてしまうことがあります。これはボーカルを録る時にもよく起きる現象で、どうしても音量を上げたい場合はより音漏れがしにくいイヤフォンを使うこともあります。

ただ僕のこれまでの経験だと、そこまで大音量でなければヘッドフォンで全然大丈夫だと思います。ドラムなどほかの楽器が鳴っている時はあまり気にしなくて大丈夫ですが、ソロ・ギターや歌とアコギだけのセクションなどを録る時にはクリックの音量に気をつけましょう。

そしてもうひとつは“ヘッドフォン・ケーブル”です。

ヘッドフォン・ケーブルはアコギを録る時に地味に邪魔をしてきます。ケーブルがアコギと体の間に入り込んでしまうことが多く、ケーブルの材質によってはアコギに当たった時にけっこうな雑音が出ます。

アコギと体の間にケーブルが入り込んだ状態

このように金具が付いている場合は特に注意。思った以上にノイズが録音されてしまいます。

一番いいのはケーブルを背中側に回してしまうことです。背中のほうからヘッドホンを持ってきて着脱します。ちょっと慣れは必要ですが、こちらのほうが断然演奏に集中できますよ。

またケーブルの長さが足りないと頭が引っ張られる感じがしてストレスだと思うので、その場合は市販の延長ケーブルを使うといいと思います。

次回はアコギの基本的な音作りについて。

『Silent Storm』Ovall

Track List

  1. Brainstorm (ブレイン・ストーム)
  2. 99 (ナインティナイン)
  3. Velvet Dusk (ヴェルヴェット・ダスク)
  4. Bloom feat. KIKI (ブルーム・フィーチャリング・キキ)

origami PRODUCTIONS/OPCA-1066(ストリーミング&ダウンロード)/2025年6月4日リリース

Profile 関口シンゴ

ギタリスト、コンポーザー、プロデューサー。ソロ・プロジェクトやOvallでの活動に加え、さまざまなアーティストのサポート・ワークやアレンジ、プロデュースを行なっている。自身の最新作は、トラックメイクからギター・レコーディングまでをすべて自宅で行なったインスト作『tender』。

公式HP:https://shingosekiguchi.com/
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Instagram:https://www.instagram.com/shingo.sekiguchi/
YouTube:https://www.youtube.com/c/ShingoSekiguchi

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