中川イサトから受け継いだ、アーニーボール弦との絆
アーニーボールのアコースティック・ギター用弦、“Earthwood 80/20 Bronze”、“Earthwood Phosphor Bronze”、“Everlast 80/20 Bronze”、“Everlast Phosphor Bronze”の購入者だけが応募できた、押尾コータローのシークレット・ライブ。2025年1月25日、キャンペーンへの多くの応募者の中から選ばれた、幸運な100名の観客が都内某所のライブ・レストランに集まった。
開演時刻になると、大きな拍手とともに押尾コータローがステージに迎えられる。“この席を得るためにどれだけのアーニーボールの弦を手に入れたのでしょうか(笑)。でも、モノは良いのでご安心を”と簡単な挨拶をしたのち、まずは美しいハーモニクスの音色から「Together!!!」でライブがスタート。
強く太い高音弦のサウンドとハリのある低音を響かせると、そのまま「ナユタ」へ。低音弦のタッピングでベースを、流麗なレガートでメロディを奏で、幽玄な世界観を生み出す。
ギターはお馴染み、グレーベン・ギターズ・ジャパンのOshio-DC。使用している弦はもちろんアーニーボールのEverlast Phosphor Bronze Medium Light(.012-.054)だ。
続くMCでは、師匠である中川イサトと弦の話に。
“僕の師匠である中川イサトさんは研究熱心で、あらゆる弦を試していたんです。で、コーティング弦が出てきた時にも試していたんですが、その頃のコーティング弦は評価が高いものでもオープンチューニングには合わなかったそうで。イサトさんが“コーティング弦はアカン”って言っていたので、僕も使わなかったんです。そしたらある日「押尾、この弦はええぞ!」と言ってきたんですよ。それがアーニーボールのEverlastだったんです。イサトさんの研究のおかげでこの弦に出会えた。それからずっとこの弦を使い続けています”。
そんなアーニーボール弦との出会いと、中川イサトの貴重な話で会場を沸かせたのち、「My Guitar, My Life」へ。タッピング・ハーモニクスの音を鈴鳴りのように美しく響かせ、アーニーボール弦の魅力を引き立たせる。
コルグが取り扱うブリードラブやラグ・ギターズも登場
次に登場したギターはグレーベンではなく、コルグが取り扱うブリードラブ(Breedlove)からLegacy Concert Limited – Thin Body。“弦の音を届ける”というコンセプトのホール・コンサート・シリーズである、“弦音LIVE”で弾いたこともあるそうで、ボディの薄さを見せながら“弾いていると音を近くに感じる”と、その弾き心地を語った。
ブリードラブでは「DREAMING」、「黄昏」、「桜・咲くころ」をメドレー形式で披露。ミッドレンジが強調された豊かなサウンドを、タッピングやスラム奏法などがほとんどないシンプルなフィンガースタイルのアプローチで聴かせてくれた。
そして、ラグ・ギターズ(Lâg Guitars)のTHV10ACEへとギターを持ち替える。“カポもアーニーボール製で、両側で押さえられて指板アールのあるなしに対応できるんですよ”とAXIS CAPOの宣伝までこなし、ギターの説明へ。
生音に対してエフェクトがかけられるTHV10ACEの“Hyvibe”システムについて、まずはエコーをかけてからスリーフィンガーのラグタイム的なアプローチで解説スタート。その後、ディレイ、コーラス、フェイザーと各種エフェクトを生音への効果がわかるように実演。最後にルーパーを使って、簡単な循環進行をループさせ、即興ひとりセッションを聴かせてくれた。
その後グレーベンへとギターを戻し、「Merry Christmas Mr. Lawrence」、「翼〜you are the HERO〜」、「GOLD RUSH」と続けて本編は終了。アンコールでは母とのエピソードとともに「MOTHER」を披露し、スペシャル・ライブは幕を閉じた。
アグレッシブなタッピングから美しく静かなアプローチまで幅広いプレイを披露し、アーニーボール弦が持つ表現力の高さを説得力のある音で伝えてくれたステージだった。