これからギターを始めたいorちょっと弾いたことあるけど、どういうアコギを選べばいいのかわからないという方へ、楽器選びを失敗しないためのポイントを紹介していくぞ!
中・高校時代は“ゆず”や“コブクロ”に憧れて、アコギを持つもほどなく挫折。大人になって再挑戦したくなったオーバー30。当面の目標は数曲スラスラと弾けるようになること。
これ大切! 直感
まずはルックスが気に入るかどうか。予算を設定しつつネットで検索して、気になるアコギを探してみよう。
そのままポチっとすることもできるけど、楽器は同じモデルでも個体差があったり、実物の印象や触った感触なども大きな要素。できれば楽器店などで実際に触れてみよう。
予算感
設定した予算よりちょっと高い。でも、どうしても気に入ったモデルがあれば、少しだけ背伸びしてみよう。高いのにはワケがあるんです。
タイプ分けを知る
ボディ・シェイプ&スケール
図の左から、ドレッドノート、オーディトリアム、ジャンボ、スモール・ボディなどさまざまなボディ・シェイプがある。総じて大きなボディのほうがスケール(弦長)も長く、大音量で弦の張り感もキツめの傾向。
木材
ボディのトップ(表板)はスプルース(松)orシダー(杉)、サイド&バック(横板&裏板)はローズウッドやマホガニーが一般的で、メイプルやハワイアン・コアなども用いられ、それぞれの木材によって音色が異なる。自分の好みを見つけよう!
楽器のチェック・ポイント
ボディ・シェイプやバランス
座った状態やストラップを付けて立った状態で、ボディのシェイプが体にしっくりくるかを確認。ここでカッタウェイ(図のボディのえぐれている部分)の有無もチェック。高い音のフレーズを弾きたい方は、カッタウェイ付きを買ったほうが弾きやすいかも。
フレットの処理
ローフレットを握り、そのままハイフレットまで握ったまま移動させてみる。フレットの端がひっかかる感覚があるかないかをチェック。スムーズに滑れば合格だ。また、冬の乾燥期は木が痩せてくるので、フレットが飛び出すこともまれにある。その個体に調整が必要なのかは店員さんに聞いてみよう。
ネック・グリップ
いろいろなポジションで、ネックを握り込んでみる。弦を適当に押さえた時に違和感がなければOK。この時、ボディに近いハイポジションもチェック。普通のオープン・コードは弾きやすくても、12フレット付近のコードになると弦高が高くて押さえにくい場合は、ある程度プレイ・スタイルが限定されるかも。調整できるか聞いてみよう。
ナット溝の高さ
メーカー出荷時のナットの溝切りは弦のビビり(弦がフレットに触れて音が出ないorバズが出る)が起きないように、高めに設定してあるものも多い。1フレット目を押さえてみて指が痛いなどあれば、溝を下げられるのか店員さんに聞いてみよう。また、カポをしてみるとナットの高さが気にならなくなるので、弾きやすさの目安になるかも。お試しあれ。
ブリッジ&サドルの高さ
アコギはかなり時間が経つと、弦を張る力によってネック・ジョイントが起きたり、ボディ・トップが動いたりするので、中古楽器などはブリッジ・サドルやブリッジ本体を削って調整しているものもある。ある程度の余裕(高さ)が確保されているかを見ておくと良し。
ペグを回してみる
チューニングしやすかったり、安定していることは大事なポイント。ペグを回してみて音程を下げたり上げたりしてスムーズに動くかチェックしてみよう。弦が切れないようにまず音程を下げてから上げるクセをつけると良し。
音の確認
弦をハジいて、音色が気に入るかチェック。同行してくれた人や、混雑していなければ店員さんに気に入ったアコギを弾いてもらって確認するのもアリ。アコギは弾く人によって音が変わったり、自分で弾いた時の印象と変わるのも面白いところ。
ピックアップの有無
将来バンドを組む予定があったり、ライブや宅録をしたい人は、スピーカーで鳴らすための道具であるピックアップが付いているものを選んだほうが便利。ただし、あとから追加することも可能なので、必須ではない。
傷の確認
店頭在庫の場合は、気になる弾き傷などがないかを確認する。
ケースの有無
持ち歩きすることが考えられる場合(弾き語りやバンド活動など)は、ケースの有無もチェックしておく。最初から良いケースが付いている場合も多い。
調整してもらえるかの確認
アコギはおもに自然の木でできているので、季節による温度・湿度で状態が変わるもの。購入後のメインテナンスなどをしてくれるお店もある。
状態の変化はなかなか気づけないので、できれば初心者のうちは、調整してもらえるお店での購入がオススメ。二人三脚してくれるショップがあると心強いぞ。
それでは楽しいアコギ・ライフを!
文:菊池真平 イラスト:小阪裕子