渡辺の代表曲「UNICORN」を押尾×沖の2人で初披露
ゴールデンウィークもまだ序盤、親子連れや海外観光客などが賑わう東京ミッドタウン。ビルボードライブ東京へと向かう。
会場ロビーに着くと、アコギ・マガジンのバックナンバーや記念Tシャツが展示されていたほか、療養のために出演キャンセルとなった渡辺香津美へのメッセージが残せる、特大パネルが用意されていた。
場内は満員御礼。1stステージの開演時刻を迎え、押尾コータロー、沖仁が登場した。暗がりの中から美しいハーモニーが聴こえ、次第にステージが明るくなる。
オープニングは押尾のアルバム『STARTING POINT』に収録されている「Destiny」だ。沖の情熱的なカッティングを受け、押尾が華やかな温かみのある音色で色気漂うメロディを奏でる。続いてメロディ・パートが沖に移ると、フラメンコ・ギターならではの優しく、鋭さもあるサウンドで会場を魅了。
そのまま沖の「ソンリサ ~微笑の季節~」を2人で演奏。押尾の軽快なカッティングで爽快感が加わり、沖のメロディもグルーヴしていく。
演奏が終わると、押尾と沖からアコースティック・ギター・マガジン通巻100号について祝福の言葉が(こちらこそ本当にありがとうございます!)。また、渡辺の回復への願いと3人での共演の誓いを述べ、渡辺の代表曲「UNICORN」へ。
押尾の切ないメロディのイントロにアバニコで応じる沖。徐々に熱を帯びていくグルーヴ。最後にはユニゾンのカッティングで原曲が持つロックな雰囲気を見事に表現した。
ギター表現の幅広さと奥深さを改めて知る
沖がステージ袖へ移動すると、押尾のソロ・コーナーへ。選んだのは「Together!!!」だ。これまでとは違う広がりのあるサウンドで、アコギ1本とは思えぬ多彩なプレイを披露した。
続く沖のソロ・コーナーは「アランフェス協奏曲 第2章〜オリジナル」で、フラメンコ・ギターの魅力がたっぷりと堪能できた。アコースティック・ギター1本での表現の幅広さ、奥深さに驚かされる。
ステージに押尾が戻ると、ノスタルジックな「黄昏」から、沖が初めて押尾と演奏するために作った「オシ・オキTime」へ。事前にレクチャーされた曲中のコーラスと手拍子が客席に響き、会場全体が一体となる。
続く「スペイン」、「リベルタンゴ」を情熱的なツイン・ギター・アレンジでプレイ。どちらの曲も渡辺のレパートリーでもあり、次回は3人での共演を楽しみにしたいラインナップだ。
そして、最後の楽曲として、押尾が渡辺とともに軽井沢でレコーディングしたこともある「ボレロ」を紹介。
押尾の繊細なベースラインと沖の美しいメロディが織りなす荘厳なアンサンブルに息を呑み、それぞれの個性が表出したソロで会場のテンションは最高潮に。そして、2本のハーモニーが響き渡る壮大なエンディングで本編が幕を閉じた。
3人で完成させた特別なステージ
アンコールには“香津美さんの回復を祈って弾きたいです”と、名曲「My Way」を選曲。押尾がリバーブの効いた温かなサウンドでメロディを奏で、沖がバトンを受け継ぎ1オクターブ下で優しくテーマを歌う。一音一音を大切に紡ぐような2人のプレイに、涙が込み上げてくる。
ステージ上には2人の姿のみだったが、押尾と沖の演奏には終始、渡辺へのリスペクトと愛が感じられた。まさに3人で完成させたステージである。
そしてその思いは会場に集まった観客たちにも伝わり、終演後には、渡辺に向けたメッセージ・ボードもファンからのコメントで埋め尽くされていた。またいつか必ず、渡辺、押尾、沖の3名による共演を実現させよう。
沖仁 ギターコンサート ~special guest 押尾コータロー~
日程/会場
- 2024年7月27日(土)/横浜・関内ホール
15:30開場/16:00開演
チケット情報
- 一般 全席指定 6,500円(税込)
- 労音会員 5,500円(税込)
- 学生割引 1,000円(税込/小・中のみ、Ro-Onチケットのみ)
※未就学児入場不可
※情報は記事公開時のものです。最新のチケット情報や公演詳細は公式HPでご確認下さい。
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押尾コータロー、沖仁が出演した、アコースティック・ギター・マガジンの通巻100号記念ライブ“ONE NIGHT SESSION supported by ACOUSTIC GUITAR MAGAZINE 100th issue”の記念TシャツがT-ODにて発売中!
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