アルペジオの各音の長さ|アコギ上達100の裏ワザ:第83回

アコースティック・ギターが上手くなりたい人のための“アコギ上達100の裏ワザ”。すべてのアコギ弾きに役立つヒントを紹介!


アルペジオでグルーヴさせたければ
➡音の止まる瞬間を理解する

アルペジオでも、音は弦ごとに止まっていくはずです。しかし何も意識せずに、音がバラバラに止まっていくのは良くありません。

本来、Ex-1のアルペジオは、忠実に書けばEx-2のようにプレイします。

Ex-1、Ex-2
アルペジオでも音を伸ばしてプレイする

が、これでは、譜面が読みにくくて仕方がないので、Ex-1のように省略してあるのです。つまり、Ex-1でも図1のように音を伸ばしてプレイしなければいけないわけですね。

これが上手くいかず、音が途切れたりすると、アルペジオの響きが失われてしまいます(図2)。まず、これを認識してください。

図1、図2

ここでドンデン返しを言います。実は、図1も間違いなのです。実際には、次に弦をピッキングするまでは、コード・チェンジに関係のない音が出続けています。

よって本当の正解は図3です。1〜2弦の3fは持続したまま響かせておく、そして響き続けてしまうものなのです。別のコードに入ってもつながっている音があった方が、アルペジオは美しく響くのですね。もちろん、図1も小節の区切りで全弦ミュートすれば、成立するプレイではあります。

Ex-3、図3
コード・チェンジの際にもつながっている音がある

これを説明したのは、当然ながら音を止める瞬間を意識してほしいという目的です。譜面にしても図版にしても“音ってのは勝手に止まっているわけじゃないんだな”と知っておいてほしいのです。単音においても、アドリブ・プレイにおいても、ストロークにおいても、音を“出して”、“止める”の両方が表現できるのが上手いプレイだということです。

この譜例では、6弦の音を2小節目のDsus4にコード・チェンジする瞬間にミュートすることが大切です。その場合、左手の親指で6弦2fに触れてミュートしてやると、D(onF#)フォームになり、Dコードと一緒に響いても構わないF#音の場所でミュートできます(もちろん右手でミュートしてもOKです)。

ということは、Gフォームであらかじめ親指で6弦2fに乗せておけばいい! これぞ裏ワザです。

アコギ上達100の裏ワザ

著者プロフィール

いちむらまさき

岐阜出身のギタリスト&ウクレリスト&ライター。音楽制作、ソロ・ギター・スタイル、インストラクターなどで活動。

著作に『ギター・コードを覚える方法とほんの少しの理論』、『楽譜を見えるのがうれしくなる方法とプレイに直結させるコツ』、『音楽理論がおもしろくなる方法と音勘を増やすコツ』、『コード進行を覚える方法と耳コピ&作曲のコツ』、『ピアノでコードを覚える方法とほんの少しの理論』、『ギターを弾いているだけで音感がアップする方法』、『ブルース・ギターをはじめる方法とプレイ幅を広げるコツ』、『ギター・スケールを覚えないでアドリブをはじめる方法』、『ウクレレのお手入れ&お手軽カスタマイズを楽しむ本』、『ジャズコで聴き比べる歪みエフェクター97』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本 リズム強化編』、『ギター上達100の裏ワザ』、『ギター作曲100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDエレクトリック・ギター』、『アコギ上達100の裏ワザ』、『耳コピ上達100の裏ワザ』、『ライブ上達100の裏ワザ』、『ウクレレ上達100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDウクレレ』、『気づいた人から上手くなる! ギタリストのハテナに答えます!』、『ギターで作曲する方法とほんの少しのコード理論』(すべてリットーミュージック刊)など。

◎公式サイト:https://blog.goo.ne.jp/ichimuramasaki

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