ギターを保管する時の湿度|アコギ上達100の裏ワザ:第6回

アコースティック・ギターが上手くなりたい人のための“アコギ上達100の裏ワザ”。すべてのアコギ弾きに役立つヒントを紹介!


湿気を必要以上に持たせないためには
➡ 環境によってベストな保管法は変わるので臨機応変に

イラスト

ギターの保管についての話題です。よく“湿度が高いからといって木材にはそれほど影響ない”とは言われますし、“アメリカから買ってきたギターが日本でケースから出した途端にヒビ割れた”という話も聞きます。では、どうすればいいのでしょう?

僕の場合、台所のそばに置いていたギターの音が悪くなったという経験がありますので、湿気は一応は気にします。逆に、乾燥し過ぎてクラック(ヒビ割れ)することも事実ですので、乾燥し過ぎも良くはないと思っています。

もっと具体的に紹介すると、僕は乾燥肌で皮膚が弱いので、体と楽器の双方をケアするために、1年中、部屋の湿度をなるべく同じくらいに保っておくことを大切にしています。そして、寝室では“保湿機”を使い、ギター部屋では使いません。体は毎日“尿素水”、“保湿クリーム”などで対処する一方、各ギターのブリッジには食材に入っているシリカゲル(乾燥材)を挟み、ギターを弾く際にはずします。

ブリッジにシリカゲル(乾燥材)を挟む
ブリッジにシリカゲル(乾燥材)を挟む

ちなみに、僕はこの冬に引っ越しをしました(注:本書出版当時)。それまでは台所近くに置いていたギターを、冷暖房機が設置されている自分専用の部屋に置けるようになったのです。冬なので暖房を入れつつ生活していたのですが、2ヵ月ほど経つとギターの音が良くなっていました。

が、その分、少し弦がビビる感じもするようになりました。部屋が乾燥して、若干ネックが逆反りしたようなのです。よって、暖房を入れる時間が多い日には、体の皮膚のためにも部屋に濡れタオルをブラ下げてみたら、ギターは丁度良い乾燥具合で、弦のビビりもなくなりました。まぁ、偶然かもしれないですし、何をしたから良かったということは結論づけられませんが。これらは僕の一例です。あなたも自分の部屋の環境に合わせて、ギターの保管法を考えてみてください。

ところで、よく“弾かないギターの弦を緩めますか?”という質問を受けます。僕は緩めません。“弦を緩めずに保管しておいたら、ネックが反ってしまった”と言う人がいますが、それは弦の張りっぱなしが原因ではなく、湿度がベストな状態でないのではないでしょうか? もちろん、ギターの種類にもよるでしょうから、実際に自分のギターを見ながら、適切な湿度調節を行なうことが必要です。

アコギ上達100の裏ワザ

著者プロフィール

いちむらまさき

岐阜出身のギタリスト&ウクレリスト&ライター。音楽制作、ソロ・ギター・スタイル、インストラクターなどで活動。

著作に『ギター・コードを覚える方法とほんの少しの理論』、『楽譜を見えるのがうれしくなる方法とプレイに直結させるコツ』、『音楽理論がおもしろくなる方法と音勘を増やすコツ』、『コード進行を覚える方法と耳コピ&作曲のコツ』、『ピアノでコードを覚える方法とほんの少しの理論』、『ギターを弾いているだけで音感がアップする方法』、『ブルース・ギターをはじめる方法とプレイ幅を広げるコツ』、『ギター・スケールを覚えないでアドリブをはじめる方法』、『ウクレレのお手入れ&お手軽カスタマイズを楽しむ本』、『ジャズコで聴き比べる歪みエフェクター97』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本 リズム強化編』、『ギター上達100の裏ワザ』、『ギター作曲100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDエレクトリック・ギター』、『アコギ上達100の裏ワザ』、『耳コピ上達100の裏ワザ』、『ライブ上達100の裏ワザ』、『ウクレレ上達100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDウクレレ』、『気づいた人から上手くなる! ギタリストのハテナに答えます!』、『ギターで作曲する方法とほんの少しのコード理論』(すべてリットーミュージック刊)など。

◎公式サイト:https://blog.goo.ne.jp/ichimuramasaki

SNSでシェアする

アコースティック・ギター・マガジン

バックナンバー一覧へ