ハイテク系ソロ・ギター・プレイヤー、松井祐貴が、YouTube動画とともに完全解説する本誌『アコースティック・ギター・マガジン』連動企画の3回目。今回のお題目は、“ネイル・アタック”だ。
なお、WEB版では“教則的内容&トレーニング譜例”を中心にお届けしているが、本誌Vol.99ではレミオロメン「3月9日」のスコアも掲載している。こちらも併用して、レベルアップに役立ててもらいたい。
第 3 回 爪を弦に当てるネイル・アタックに挑戦!
ネイル・アタックとは、ドラムのスネアやハイハットのような役割の音を表現する奏法。実は僕が使う特殊奏法の中で一番使用頻度の高い奏法だよ!
例えば、同じフレーズをくり返す場合に、1回目はネイル・アタックなしのアルペジオのみで弾き、2回目はネイル・アタックを加えて少しリズミカルにするなど。
このように、ネイル・アタックひとつでアレンジの雰囲気を変化させて、楽曲を表現することができるようになるよ!
少し難しい奏法かもしれないけれど、習得すると必ず役に立つ奏法なので、ポイントをしっかり意識して頑張って挑戦してみよう!
【BASIC】まずは、構え方の基本からチェック
中指と薬指を2、3弦付近の上に写真❶のように構えよう。次にその構えを維持したまま手首を使って手を弦から離してみよう(写真❷)。そしてその手をもとの位置に素早く戻す!
すると反動で自然と中指、薬指が弦にぶつかってしまう。これがネイル・アタックになるよ! アタックしようと指を開くと、ストロークのように弦を弾いてしまう。構えを維持したまま、自然な反動のみで弦にぶつかる程度がポイント!
【STEP-UP】ネイル・アタックは事前準備が大事
音数の多い曲を弾いている時は、ネイル・アタックをする音の直前で手の準備をしていると、間に合わなくなってしまう。そこで、ネイル・アタックをしたい音のひとつ前の音を弾く時には、しっかりと手を離す準備をしよう(写真❸)。
ネイル・アタック直後は中指と薬指をすぐに開いてピッキングはしづらいため、ネイル・アタックの次の音は、人差指や親指を使って演奏するのもポイント!
POINT
・指は開かず、手首の反動で弦にぶつける!
・手の準備は1音前から、しっかりとしよう
・ネイル・アタック直後の音は、中指・薬指以外で
今回のまとめ
アタックという言葉のイメージから、指先で力一杯弦を叩くように感じるかもしれないけど、あくまで反動で自然と弦にぶつかるということを意識して挑戦しよう!
伴奏音としてネイル・アタックを使用している場合は、コードさえしっかり押さえていれば基本的にどの弦の音が鳴ってしまっても嫌な音は鳴らないため、ある程度、大まかに弦を狙えれば大丈夫!
メロディの時は隣の弦に左手で少し触れておくと、不要な音が鳴りにくく、よりメロディをしっかり鳴らせるようになるよ!
【課題曲】「3 月9 日」レミオロメン
?、?セクションがInter を挟んで2回出てくる楽曲のため、2回目の?から?セクションにかけてネイル・アタックを加え、変化をつけたアレンジにしました。
※「3 月9 日」のスコアは、本誌にて掲載しています。
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