厚みを加え、華やかに聴かせるラスゲアード『誰でも弾ける!松井祐貴式ハイテク・ソロ・ギター』第9回

“ラスゲアード”にチャレンジ!

ストロークの音により厚みを加え、華やかに聴かせる“ラスゲアード”奏法にチャレンジしよう! 普通のストロークでは人差指や親指など1本の指を使って演奏するが、それを(小指)、薬指、中指、人差指の3本(または4本)を使って、少し音をずらしながら順番にストロークをし、音を重ねて演奏する。これがラスゲアード奏法だよ!

指1本のストロークと比べて音に厚みが出るため、楽曲の盛り上げたいフレーズに取り入れると楽曲の表現力がさらにアップ! きれいにラスゲアードを響かせるためには、指1本1本の意識が必須。注意するポイントを心がけてしっかりと練習しよう!

【BASIC】

早速ラスゲアードをやってみよう。右手の薬指、中指、人差指の順番で一定の間隔を保って指を開いていき、タイミングをずらしてストロークしてみよう。簡単にいうと“ジャラーン”が“ジャラララーン”となるイメージ。

譜面①

中指と薬指の間隔が近すぎる場合が多いので、最初は指1本1本を特に注意して指を開こう(写真①)!

写真①
写真①中指と薬指が近い

指を開く動きだけに頼らず、ラスゲアードの指の動きに合わせて腕を下ろすように動かすのもポイント(写真②)。

写真②
写真②腕も一緒に下ろそう

【STEP-UP】


次はメロディを意識したラスゲアードをしてみよう。

譜面②

人差指には親指を添えておき、最後の弦を弾くタイミングに合わせて親指と人差指をギュッとつまむようにすると、最後の弦だけ少し音量を大きく鳴らすことができる(写真③)。

写真③
写真③メロディ弦の直前にギュッとつまむ

メロディと一緒に演奏する場合は、メロディの弦以外を装飾音のようにとらえて優しく弾くと、より際立つようになるよ。2弦がメロディの時は不要な1弦を左手でミュートして鳴らさないよう注意(写真④)。

写真④
写真④不要な弦は左手でミュート

POINT

今回のまとめ

各指のストローク間隔がバラバラだと、まとまりのないラスゲアードになってしまう。それぞれの指の間隔がしっかりと一定になっているかを鏡などでチェックしながら弾いてみよう。

また、初めのうちは力加減が難しく、全弦を大きな音で弾いてしまいがち。まずは力加減を均一にして音量を意識しよう。

ラスゲアード時にメロディが存在する場合は、メロディ弦以外はすべて装飾音だと思い、優しく撫でるようにストロークすることを心がけて練習しよう!

【課題曲】大きな古時計

課題曲の譜面は、アコースティック・ギター・マガジン2025年12月号、Vol.106をご覧下さい!

アコースティック・ギター・マガジン 2025年12月号 Vol.106

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松井祐貴

14歳よりギターを始め、独学でギターをパーカッションのように叩き、リズムをくり出しながら同時にコードとメロディを奏でるソロ・ギターの特殊奏法を習得。そのスタイルは動画投稿サイトやSNSで話題となり注目を浴びる。全国でのライブ活動を中心に楽譜制作、ギター講師など多岐に渡り活躍中。

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