隠れシャッフル|アコギ上達100の裏ワザ:第61回

アコースティック・ギターが上手くなりたい人のための“アコギ上達100の裏ワザ”。すべてのアコギ弾きに役立つヒントを紹介!


奏法を広げたいなら
➡“隠れシャッフル”を覚えよう

カントリー・ギターの必修奏法であり、フィンガーピッキングで人気の“ギャロッピング”という奏法があります。これは、ベース音を“ブンチャカブンチャカ”と、一定の法則で移動させるもの。

これを単音弾きで作ったのはカーター・ファミリーのメイベル・カーターお母さんであり、それを和音っぽくして広めたのがマール・トラヴィスで、“トラヴィス・ピッキング”(裏ワザ063で紹介します)と呼ばれます。

というわけで、Ex-1を弾いてみてください。

譜例(Ex-1)
ギャロッピングのベース音(Ex-1)

冒頭にシャッフル記号があります。よって、ベース音がイーブンに見えても、跳ねたリズムに乗った上でプレイしなければなりません。

そして、“・”のスタッカートで区切る際、3連符で乗らなければならないのです。このEx-1を、シャッフル記号とスタッカート記号を使わずに細かく譜面化したものが、下のEx-2です。

譜例(Ex-2)
あえてそれを細かく譜面化したもの(Ex-2)

音の出る瞬間はイーブンですが、音を消す瞬間は跳ねてプレイするので、“隠れシャッフル”とでも呼びましょうか。

このような隠れシャッフルが最も分かりやすく展開されている曲の例として、加山雄三氏の“お嫁においでよ”が挙げられます。つまり、カントリーとハワイアンに、隠れシャッフルが多いということですね。

アコギ上達100の裏ワザ

著者プロフィール

いちむらまさき

岐阜出身のギタリスト&ウクレリスト&ライター。音楽制作、ソロ・ギター・スタイル、インストラクターなどで活動。

著作に『ギター・コードを覚える方法とほんの少しの理論』、『楽譜を見えるのがうれしくなる方法とプレイに直結させるコツ』、『音楽理論がおもしろくなる方法と音勘を増やすコツ』、『コード進行を覚える方法と耳コピ&作曲のコツ』、『ピアノでコードを覚える方法とほんの少しの理論』、『ギターを弾いているだけで音感がアップする方法』、『ブルース・ギターをはじめる方法とプレイ幅を広げるコツ』、『ギター・スケールを覚えないでアドリブをはじめる方法』、『ウクレレのお手入れ&お手軽カスタマイズを楽しむ本』、『ジャズコで聴き比べる歪みエフェクター97』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本 リズム強化編』、『ギター上達100の裏ワザ』、『ギター作曲100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDエレクトリック・ギター』、『アコギ上達100の裏ワザ』、『耳コピ上達100の裏ワザ』、『ライブ上達100の裏ワザ』、『ウクレレ上達100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDウクレレ』、『気づいた人から上手くなる! ギタリストのハテナに答えます!』、『ギターで作曲する方法とほんの少しのコード理論』(すべてリットーミュージック刊)など。

◎公式サイト:https://blog.goo.ne.jp/ichimuramasaki

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