“クロマティック・ミディアント”とは? 『アコギで音楽理論講座』第15回 by ドクターキャピタル

ドクターキャピタルによる実演動画

まいど! ドクターキャピタルです。今日はおしゃれですごくカッコいいコード進行とメロディ制作のコツを教えたいと思います。早速弾いてみましょう!

Ex-1

Ex-1

Ex-2

Ex-2

映画音楽の表現力

Ex-1とEx-2を弾いてみて、どう聴こえますか? 従来のブルースやポップの定番的なサウンドを越えて、映画音楽にでも出てきそうなドラマチックなサウンドではありませんか?

このサウンドになっているのは、ただの偶然や規則のない“センス”ではなくて、ひとつの特定したテクニックを使っているのです。“クロマティック・ミディアント”と言いますが、このテクニックを取り入れることで、ご自身の好きなジャンルが映画音楽でも、ロックやポップ、メタル、ソウル、ジャズでも、表現力がよりアップします。

ミディアントなのかメディアントなのか?

どちらでも大丈夫です! この音楽用語は、英語の“Chromatic Mediant”がそのままカタカナ読みになっています。英語の発音では“mediant”は“ミディアント”に近いので、ネットで検索すると、やはり“クロマティック・ミディアント”のほうが多く出てくる気がしますが、“メディアント”でも出てきますし、僕も以前の動画では何回か“メディアント”と発音しているので、どちらでもお好きなほうを使ってください。

そもそも英語以前に“mediant”という単語はもともとラテン語で、“メディアント”が正しい発音です。ちなみにカタカナの“メディア”という言葉は、英語の“media”の発音では“ミディア”のほうが近いのですが、英語の発音が“ミ”でも日本語で“メ”と発音・表記する場合がわりとありますね。ともあれ今回のコラムでは“クロマティック・ミディアント”を使っていきます。

ほんで、“ミディアント”はどういう意味!?

クラシックの音楽理論では、ひとつひとつの音に数字(1、2、3……)以外に名称も付いています(Ex-3)。

Ex-3

Ex-3
トニックとドミナントの中間の音=“ミディアント(中音)

現代やポピュラーミュージックの勉強や会話では単音でもコードでも数字のほうが多く使われますが、今でも“トニック、ドミナント、サブドミナント、リーディングトーン”などはよく出てきます。“ミディアント”はラテン語から“中間”の意味を持ち、メジャー・スケールの3度の音は、最も重要な1度(トニック)と5度(ドミナント)の中間にあることから【3度=ミディアント】になりました。

続きはアコースティック・ギター・マガジンVol.102本誌にてご覧ください。

第15回の内容

アコースティック・ギター・マガジン 2024年12月号 Vol.102

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ドクターキャピタル

どくたーきゃぴたる アメリカ出身大阪在住ギタリスト、シンガーソングライター。音楽博士号を持ち、名門/南カリフォルニア大学の教壇に立つ現役のプロフェッサーで、ソロやユニットなどさまざまな音楽活動を継続。日本文化にも精通し、バリバリの関西弁を駆使した“Dr. Capital’s JPOP講座”で、YouTuberとしても存在感を高めている。

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