音量のメリハリのつけ方|アコギ上達100の裏ワザ:第40回

アコースティック・ギターが上手くなりたい人のための“アコギ上達100の裏ワザ”。すべてのアコギ弾きに役立つヒントを紹介!


大きな音を出せるようにするには
➡小さく弾く訓練をする

イラスト

ライブ当日には、サウンド・チェック時にPAのエンジニアさんと最大音量をチェックしておく必要がありますが、普段の練習では、小音量を基準にプレイすることが大切です。コード弾きもアルペジオも、平均して50%の音量(&指の力)でプレイするようにしてください。

そして、単音を弾くときに80%にすれば、バランスが取れます。

また、ここぞというプレイは100%にし、50%に戻る……これで楽曲に抑揚がつきます。エレアコをライブで使用する際にも、50%を基本、100%をピークとしてサウンド・チェックをして、50%中心でスタートするようにしましょう。

実は、これがアコギのピッキングの最大のヒントです。アコギは優しくピッキングすれば、優しい音がします。力を入れないピッキングをすれば、“弾く”が“奏でる”という雰囲気になるのです。

機会があれば、チェット・アトキンスの映像を観てみてください。想像以上に、ピッキングはソフトです。“こんなピッキングで、よくあんな高度なプレイができるなぁ”と思いますが、逆です。あのピッキングだからこそ、高度なプレイができるのです。

参考までに、“徳の市”のレパートリー「ミスター・サンドマン」という曲における、僕のメリハリの付け方を紹介しましょう。プレイとしてはギャロッピングで一貫しているのですが、ずっと同じ音量&音数では平坦なプレイになってしまうので、以下のようなことを意識して弾きます。

「ミスター・サンドマン」の音量イメージ
色の濃さが音数の多さ

聴かせどころはソロ回しではなく、“3番の1小節目”です。そこを心のピーク・ポイントに持ってくるためにソロで高揚させ、ブリッジで静かにして3番をピークに、そこからさらに4番を躍動させて終わらせる……これが音量と音数で楽曲を構築させる方法例です。

ここでは、“同じコード進行でも毎回やることは違う”というコツがあり、“バッキングにもアドリブがある”というヒントを提示しておきたいと思います。

アコギ上達100の裏ワザ

著者プロフィール

いちむらまさき

岐阜出身のギタリスト&ウクレリスト&ライター。音楽制作、ソロ・ギター・スタイル、インストラクターなどで活動。

著作に『ギター・コードを覚える方法とほんの少しの理論』、『楽譜を見えるのがうれしくなる方法とプレイに直結させるコツ』、『音楽理論がおもしろくなる方法と音勘を増やすコツ』、『コード進行を覚える方法と耳コピ&作曲のコツ』、『ピアノでコードを覚える方法とほんの少しの理論』、『ギターを弾いているだけで音感がアップする方法』、『ブルース・ギターをはじめる方法とプレイ幅を広げるコツ』、『ギター・スケールを覚えないでアドリブをはじめる方法』、『ウクレレのお手入れ&お手軽カスタマイズを楽しむ本』、『ジャズコで聴き比べる歪みエフェクター97』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本 リズム強化編』、『ギター上達100の裏ワザ』、『ギター作曲100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDエレクトリック・ギター』、『アコギ上達100の裏ワザ』、『耳コピ上達100の裏ワザ』、『ライブ上達100の裏ワザ』、『ウクレレ上達100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDウクレレ』、『気づいた人から上手くなる! ギタリストのハテナに答えます!』、『ギターで作曲する方法とほんの少しのコード理論』(すべてリットーミュージック刊)など。

◎公式サイト:https://blog.goo.ne.jp/ichimuramasaki

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