アコースティック・ギターが上手くなりたい人のための“アコギ上達100の裏ワザ”。すべてのアコギ弾きに役立つヒントを紹介!
文:いちむらまさき イラスト:花くまゆうさく
※本記事は『アコギ上達100の裏ワザ』(小社刊)の内容を転載したものです。
湿気を必要以上に持たせないためには
➡ 環境によってベストな保管法は変わるので臨機応変に
ギターの保管についての話題です。よく“湿度が高いからといって木材にはそれほど影響ない”とは言われますし、“アメリカから買ってきたギターが日本でケースから出した途端にヒビ割れた”という話も聞きます。では、どうすればいいのでしょう?
僕の場合、台所のそばに置いていたギターの音が悪くなったという経験がありますので、湿気は一応は気にします。逆に、乾燥し過ぎてクラック(ヒビ割れ)することも事実ですので、乾燥し過ぎも良くはないと思っています。
もっと具体的に紹介すると、僕は乾燥肌で皮膚が弱いので、体と楽器の双方をケアするために、1年中、部屋の湿度をなるべく同じくらいに保っておくことを大切にしています。そして、寝室では“保湿機”を使い、ギター部屋では使いません。体は毎日“尿素水”、“保湿クリーム”などで対処する一方、各ギターのブリッジには食材に入っているシリカゲル(乾燥材)を挟み、ギターを弾く際にはずします。
ちなみに、僕はこの冬に引っ越しをしました(注:本書出版当時)。それまでは台所近くに置いていたギターを、冷暖房機が設置されている自分専用の部屋に置けるようになったのです。冬なので暖房を入れつつ生活していたのですが、2ヵ月ほど経つとギターの音が良くなっていました。
が、その分、少し弦がビビる感じもするようになりました。部屋が乾燥して、若干ネックが逆反りしたようなのです。よって、暖房を入れる時間が多い日には、体の皮膚のためにも部屋に濡れタオルをブラ下げてみたら、ギターは丁度良い乾燥具合で、弦のビビりもなくなりました。まぁ、偶然かもしれないですし、何をしたから良かったということは結論づけられませんが。これらは僕の一例です。あなたも自分の部屋の環境に合わせて、ギターの保管法を考えてみてください。
ところで、よく“弾かないギターの弦を緩めますか?”という質問を受けます。僕は緩めません。“弦を緩めずに保管しておいたら、ネックが反ってしまった”と言う人がいますが、それは弦の張りっぱなしが原因ではなく、湿度がベストな状態でないのではないでしょうか? もちろん、ギターの種類にもよるでしょうから、実際に自分のギターを見ながら、適切な湿度調節を行なうことが必要です。