齊藤ジョニーによる実演動画
ベース音の鳴らし方を身につけよう
はじめに 〜リズム・ギターはベースが9割〜
お疲れさまです、ジョニーです! 今回からは再びブルーグラスのリズム・ギターを学んでいきます。
最初に取り上げるテーマは、ブルーグラス・リズム・ギターにおける“ベースの鳴らし方”です。お馴染みの“ズンチャカズンチャカ……♪”のリズムにおける“ズン”の部分ですね。
1、3拍目に重心のある音楽であるブルーグラスにおいて、リズム・ギターが押さえておくべき最も重要な点は、その重心を担うベース音の鳴らし方なのです。
これをおろそかにしていると、せっかくの2、4拍目のアクセントも生きず、ただやかましいだけのバタバタしたノリになってしまいます。
僕から言わせると、ベース音をしっかり鳴らせればリズム・ギターは9割方できたも同然! それくらい大事なポイントなので、しっかり習得しましょう。
通称“ロング・タッチング”を覚えよう!
豊かな低音を鳴らすために、ぜひ皆さんに覚えてほしいのが“ロング・タッチング”と僕が呼んでいるピッキング法です。俗に“ピックを弦に押し付けるように”と表現される、ブルーグラス独自の技術ですね。これにより、ギター本来の音量と豊かなトーンを引き出すことができます。
リズム・ギターでもソロでも、一流のフラットピッカーはほぼ例外なくこの仕組みを応用しています。初めての方にとっては非常にやりづらく、僕も最初は“なんじゃこりゃ……”状態。
長らく避けて通ってきたのですが、今となっては“もっと早く取り組んでおけば良かった”と後悔しています。詳しい動作の解説は、動画でもぜひ。サウンドの違いを確かめてください!
親指の感覚を磨くべし
どうしても感覚がつかめない時は、ピックをいったん置いて親指で低音弦を鳴らしてみましょう。例えば6弦の3フレット(G音)を押さえ、一定のテンポをキープしながら4分音符で鳴らしてみてください。BPMはゆっくりでかまいません。
弦のしなり、指にかかるテンションの具合を感じながら、スムースに気持ちよく鳴らせるバランスをつかみましょう。その加減をそのままピックを持った時にも再現するイメージです。
また、ピックに持ち変える際も人差指に力が入るのを防ぐために、まずはサムピックで徐々に慣らしていくのもいいと思います。弦をはじく位置は、サウンドホールの真ん中からややブリッジ寄りに持ってくるよう心がけましょう。
第8回の内容
- はじめに〜リズム・ギターはベースが9割〜
- 通称“ロング・タッチング”を覚えよう!
- 親指の感覚を磨くべし
- いざ実践! ロング・タッチング練習帳
- 課題曲でロング・タッチングに挑戦! 「Nine Pound Hammer」
- ブルーグラス・ギターの最重要人物、レスター・フラットの親指
詳細はアコースティック・ギター・マガジン2024年9月号、Vol.101をご覧ください。