ドクターキャピタルによる実演動画
ハーモニック・マイナーとフリジアン・ドミナントで今までよりも自由に!
まいど! ドクター・キャピタルです。
マイナー・コードの上でソロを即興しながら、“ここはエオリアンがいいのか、ハーモニック・マイナーがいいのか、メロディック・マイナーがいいのか、フリジアンがいいのか、ドリアンがいいのか、ブルージィにいこうと思ったら何のルート音のマイナー・ペンタトニック・スケールがいいのか……”と迷う人が多いです。
さらに、ドミナント・コードになると“使える”と言われるスケールが多くて、それぞれの選択肢の表現効果があまりにも違うものだったりするので、感覚的のみの演奏が“自由”に感じるどころか表現不随に感じることがあります。
でも、ご安心ください! ハーモニック・マイナーとフリジアン・ドミナントの知識と練習で、今までよりも自由になれます。
エオリアンのマイナー・スケール
アコギで音楽理論講座第10回で、エオリアン・モード、言い換えてマイナー・スケールを練習しましたね。Ex-1aで復習しましょう。
R 2 ♭3 4 5 ♭6 ♭7で構成されていてAマイナーでしたらラ シ ド レ ミ ファ ソになります。同じ構成音でできたコードと合わせて弾いてみたら、ぴったりと相性が合います。ぜひEx-2aのコードをルーパー・ペダルやDAWで録音して、その上でAマイナー・スケールを弾いてみましょう。
注目ポイントはEmコードです。ローマ数字で言うと“v”、5番のマイナー・コードになります。Ex-2aはR&Bなどに実際に出てくるマイナーキーのコード進行だし、“ザ・エオリアン”サウンドを表わしているのでぜひマスターしましょう。
Ex-1a
Ex-2a
ハーモニック・マイナーとは?
しかし、マイナー・キーではEx-2bのコード進行のほうが圧倒的に多いです。クラシックでも、ジャズ、ポップ、ロックでも5番のコードがメジャートライアド“V”やドミナントセブンス“V7”になることが多くて、ドミナント機能を持ちます。
Aマイナー・キーだったら、Eマイナー・コードのはずがEメジャーに変わり、つまり中の構成音の“ソ”が“ソ♯”に上がります。“ソ♯”はキーに入っていないクロマチックの音なので、緊張感を出します。そしてキーの最も安定したルート音“ラ”にとても近いのでリスナーの耳を“ラ”に導こうとする“導音”のメロディック・グラビティの効果があります。
メジャー“V”のコードは力強い表現性があるという理由でも“ドミナント”(dominant=支配的な)という音楽用語になります。
Ex-2bのコードの構成音をスケールに並べたら、Ex-1bのハーモニック・マイナー・スケールになります。構成音はR 2 ♭3 4 5 ♭6 7で、エオリアンに含まれる短7度と違って、長7度が含まれます。
Ex-1b
Ex-2b
続きはアコースティック・ギター・マガジンVol.100本誌にてご覧ください。
第13回の内容
- エオリアンのマイナー・スケール
- ハーモニック・マイナーとは?
- ハーモニック・マイナーの5つのポジション
- 滑らかなポジション・シフティング
- 即興して表現効果を探る
- フリジアン・ドミナントとは?