井草聖二による試奏動画
ELK/STEEL 8
誰でも簡単に弾ける8弦アコギが誕生
8弦ギターと言えば限られたプレイヤー向きで、特にスティール弦のモデルは目にする機会も少ない。そんな中、常識を覆す1本として登場したのがこのSTEEL 8だ。リーズナブルな価格で、エレアコとしての機能も備えた画期的なモデル。ナット幅56mmのスリムなネック・シェイプにより通常の6弦アコギ弾きにもやさしく、異次元だった8弦の世界を身近に感じさせてくれる。
COMMENT
押さえるのに力もいらず、普通に弾ける。──井草聖二
井草 初めて手にしたのですが、スケールの単音弾きは慣れていない人でも普通に弾けると思います。良い点は、3弦がプレーン弦でゲージが細めなので、押さえるのにそれほど力が必要じゃないこと。それと、56mmという狭めのナット幅ですね。指が詰まるような感じがないギリギリのところを突いています。ソロ・ギターなら、低音弦を開放で鳴らして、ハープ・ギターのようにコードやソロを弾くというのもありだと思いました。8弦はベースの音域なので、それを意識してフレーズを作るといいでしょうね。
ELK/STEEL 7 II
7弦がもたらす可能性をどなたでも!
ヘヴィロックでは普及している7弦だが、アコースティック・ギター界ではまだ珍しい存在。しかし、低音弦がもたらす可能性は無限大で、一部のジャンルではすでに取り入れているプレイヤーもいる。STEEL7Ⅱは、ナット幅48mmのスリムなネックを実現。6弦から違和感なく移行できるのが最大のポイントだ。FishmanのPSY-201内蔵により、ライブでも即戦力の1本となるはず。
COMMENT
弾き語りの人も広がりが出せるはず。──井草聖二
井草 ネックがスリムなので、グリップしやすく、まったく違和感なく押さえられます。パワー・コードや単音弾きは、すぐに慣れると思いますよ。弦間がやや狭いので、右手のフィンガーピッキングやアルペジオは少し慣れる必要がありますが、逆にコード・ストロークはとても歯切れよく弾けますね。ソロ・ギターや歌の伴奏で、ローDやローCを出したい場面ってよくあるんですけど、7弦になるだけでそこが解決されるんです。弾き語りの人も、1本弦が増えることで広がりが出ると思います。
ELK/GUT 8
8弦の超低域トーンもクリアに出力
クラシックの世界ではロマン派の編曲作品などで8弦ギターを使用するプレイヤーは存在するが、ギターの種類は少なく、非常に高額である。そのハードルを一気に下げたのがGUT 8で、ナット幅65mmの採用により、初めての8弦でもスムーズにトライすることができるはず。FishmanのClasica 3を搭載しているのもポイントで、8弦の低域もボヤけることなく出力可能だ。
COMMENT
弦が増えたことで、倍音が増えている。──井草聖二
井草 ナット幅65mmはさすがに幅広いと感じますが、ネックが薄いので、問題なく押さえられますね。全部の弦を使ってコードを押さえようとすると頭を使いますが(笑)。低音側、高音側で分けると押さえやすくなると思います。アンプからの出音もガッツリしたベースが響いて、7弦とは世界が違う。クラシック・ギタリストがバロック音楽を弾く場合など、すごく豊かな音が出せそうです。弦が増えたことで倍音が増えて、全体の鳴りが変わっているのも良いポイントだと感じました。
ELK/GUT 7 II
ガットの可能性が広がる弾きやすい7弦
クラシック、ボサ・ノヴァ、ソロ・ギターなどでガット・ギターを演奏していく上で、ローE以下の音が出したくなる機会は予想以上に多いものだ。そんなニーズに、高いコストパフォーマンスで応えてくれるのがGUT 7。ナット幅は56mmで握りやすいスリム・シェイプだが、弦ピッチは狭すぎることなく、指弾きも容易に。操作性を高めるカッタウェイもうれしい。
COMMENT
指弾きがやりやすい絶妙な弦ピッチ!──井草聖二
井草 パッと見の印象では、言われないと7弦とわからないぐらい自然なルックスです。ナット幅は56mmとスリムですが、弦間がしっかりとられていて、指弾きも普通にできます。ローがそれほど膨らまないので、ナチュラルで音程感がはっきりしているのも良いですね。Eより下のコードが使えるから、7弦を使う人が多いボサ・ノヴァ系もお薦めだし、あとはジャズのウォーキング・ベースっぽいフレーズも低いところで展開できますよ。指弾きがやりやすいから、ソロ・ギターでも使えそうです!
TOTAL IMPRESSION
サブのギターを買う感覚で、
新しい世界を知ることができるのが魅力です。──井草聖二
井草 実はエルクというブランドについて、知らなかったんです。とても歴史があるということを聞いて、新鮮に感じました。というのも、試奏したギターが、どれも現代的でモダンな印象だったからです。パッと見た感じも今っぽいし、初期セッティングの弦高がかなり低く設定されていて、とても弾きやすかった。テクニカルなプレイに適していると思いました。ネックのシェイプがスリムなので、多弦ギターが初めてというギタリストも、違和感を感じることなくプレイできると思います。
7弦ギターと聞くと、エレキだったらジェントやマス・ロックのイメージがあるんですけど、スティール弦のアコースティック・ギターはすぐに思い浮かぶジャンルがない。だから、いろんな音楽にトライするのも楽しいと思いました。ガット弦だったら、ボサ・ノヴァで使っている人がいたりしますよね。クラシックの世界では、リュートからの流れで10弦ギターなんてのもあるし、個人的にそのあたりの興味は昔からあったんです。
7〜8弦ギターって、弾いたことのない人のほうが多いかもしれないけど、今回のモデルは実際に手にしてみたら、まったく弾けないわけではないことがすぐにわかります。スケールの位置も感覚でわかるし、コードも少し考えれば押さえられるし、フォームを覚えてしまえば曲を弾くのは問題ない。ただ、7弦は6弦の延長線上ですぐに弾けると思うんですけど、8弦となると別の楽器に片足を踏み込んだような新しい世界になりますね。僕自身、初体験でした。8弦でもスケール弾きはできると思いますけど、コードを押さえるのが難しい。ただ、高音側でコードや単音弾き、低音側でドローンを鳴らすという風に分けて考えればすぐに使えそうで、これは多弦ギターならではの世界だと思いました。
あとは弦の本数が多いことで、共鳴弦が増えるがゆえに、ギター全体の響きがリッチになるのは新発見でした。生音でも倍音の豊かさを感じますが、ラインで出力するとよりわかりやすく感じられます。内蔵されているFishmanプリアンプのクセがなくて性能がいいのもその理由だと思いますね。超低音でもぼやけることなく、クリアに出力してくれる。8弦のF#の音でも、ちゃんと音程感があって、きれいに鳴っていたのが新鮮でした。
今回のモデルの魅力は、とにかく手に取りやすい価格帯で、新しい世界を知ることができること。音域が広がれば、表現が拡張されますから。サブのギターを買う感覚で、7弦や8弦を取り入れるのはありだと思います!
スペック一覧
ELK/STEEL 8
●トップ:シトカ・スプルース単板 ●サイド&バック:マホガニー ●ネック:マホガニー ●指板:ローズウッド ●スケール:648mm ●ナット幅:56mm ●ピックアップ:Fishman Presys+ [PSY-201] ●価格:110,000円(税込)
ELK/STEEL 7 II
●トップ:シトカ・スプルース単板 ●サイド&バック:マホガニー ●ネック:マホガニー ●指板:ローズウッド ●スケール:648mm ●ナット幅:48mm ●ピックアップ:Fishman Presys+ [PSY-201] ●価格:88,000円(税込)※Spalted、Quilted、Koa、Black Koa、Ebonyは99,000円(税込)
ELK/GUT 8
●トップ:シトカ・スプルース単板 ●サイド&バック:マホガニー ●ネック:マホガニー ●指板:ローズウッド ●スケール:648mm ●ナット幅:65mm ●ピックアップ:Fishman Clasica 3 ●価格:110,000円(税込)
ELK/GUT 7 II
●トップ:シトカ・スプルース単板 ●サイド&バック:マホガニー ●ネック:マホガニー ●指板:ローズウッド ●スケール:648mm ●ナット幅:56mm ●ピックアップ:Fishman Clasica 3 ●価格:88,000円(税込)
アコースティック・ギター・マガジン2026年3月号 Vol.107
- 矢井田 瞳が25周年イヤーを締めくくるアコースティック・ツアーを6月より開催
- 韓国のシンガーソングライター10CM(シプセンチ)が3月28日に東京にて来日公演を開催
- 秦 基博が弾き語りライブ“横浜弾き語り研究会 Vol.1”を開催 中島寂、スーパー登山部Hinaも出演
- マーティンより歴代製品の特徴を融合したアコギ弦、Era Treated Acoustic Guitar Stringsが新発売
- マーティンの新しいRoad SeriesがNAMM 2026で発表 Modern/Retroの2バージョンで計18本のエレアコが新登場
- ギター製作家のアーヴィン・ソモギによる書籍『アコースティック・ギターの構造と科学』が発売

















