メリダ・エクストリーマ〜中国最大級のメーカーが実現した、熟練の職人技と高いコストパフォーマンスの両立〜

SNSなどで話題を集めているアコースティック・ギター・ブランドのメリダ・エクストリーマ(Merida Extrema)。2025年10月時点でネット販売のみながら、多くのユーザーが手にしているそう。贅沢な材を惜しみなく使用したオール単板で、最先端の設備を備えた工場と職人による繊細な手仕事によって作られているにも関わらず、10万円前後という価格を実現するメリダについて、代表モデルを紹介しながら掘り下げていきたい。

【PR】文=アコースティック・ギター・マガジンWEB 撮影=イノクチサトシ(※を除く)

メリダ(Merida)の特徴を3分解説!

ロゴ

世界中のギター需要が拡大していく中、OEM生産で数多くのギターを作ってきた中国の工場がいくつかある。中でも江西メリダ楽器は、当時他社がラミネート材を用いた高効率なギター作りを推し進める中、ソリッド材を取り扱う技術を向上させ、いくつもの有名ブランドからOEM生産を任されてきた。

そんな同社が主軸だったOEM事業を縮小してまで、中国国内市場への高品質な楽器の提供を目指して立ち上げた自社ブランドが、メリダ・エクストリーマ(Merida Extrema/以下:メリダ)だ。そして現在、メリダは世界展開を着々と進め、日本でもその製品が手に入るようになった。

中国産ギターのクオリティが年々向上していることを実感している人も多いと思うが、メリダの特徴はその高い製造技術に加え、使用する木材へのこだわりも強いという点。自社で製材所を持ち、製材からシーズニングまで一貫して木材を管理しているため、優れたコストパフォーマンスを実現しながらもハイグレードなマテリアルの使用を可能にしている。

また日本国内では、コルトやフュートラ、gfc、最先端スマート・ギターのピオズやエアロバンドなどの注目ブランドを取り扱うギター・ファクトリーが代理店を務めている。彼らが少数精鋭で輸入、国内でのブランディングを行ない、海外工場やメーカーとユーザーを直接つなぐ“ファクトリー・ダイレクト方式”を採ることで、さらに優れたコストパフォーマンスを実現している。また、その高い要求をクリアした日本市場でも通用する製品のみが、国内流通しているというのもポイントだ。

以下にて紹介するラインナップをご覧いただければわかるとおり、質の高い単板材を惜しげもなく使用しながら、税込で10万円前後という脅威のコスト・パフォーマンスを実現している。

今回は日本で現在入手可能なモデルをいくつかピックアップして、その特徴を見ていこう。

注目製品を紹介!

WAVE

WAVE(前面)
WAVE(背面)

高級木材のゴールド・ナンムによる唯一無二の響き

ボディ幅16インチのグランド・オーディトリアム・カッタウェイのWAVEはビヨンド・シリーズに属する、メリダで最も人気の看板モデルだ。最大の特徴は、サイド&バックに高級木材である楠木科のゴールド・ナンム単板を採用している点。ボディ・トップのスプルースと組み合わさることで、ふくよかながらハリのあるサウンドを創出してくれる。写真でロゼッタに入っている天然石は、2025年10月以降は日本向け製品では取り除かれ、より日本人好みのシンプルかつ洗練されたデザインへと変更される。

BLACK HOLE

BLACK HOLE(前面)
BLACK HOLE(背面)

丁寧な作りの定番スペックは万人にマッチ

BLACK HOLEもオール単板のビヨンド・シリーズで、抱えやすいオーディトリアム・カッタウェイ・ボディを持つ。スプルース・トップにセレクテッド・マホガニー・サイド&バックを組み合わせたオーソドックスなボディ材の構成で、豊かなミッドレンジを聴かせてくれる1本だ。マホガニー材は製材時に木目が入った材のみを厳選しているのがポイント。また、木製のボタンを有するオリジナルのペグも、豪華な印象を演出している。

SCAR

SCAR(前面)
SCAR(背面)

コア単板を贅沢に使用したボディ

オール単板モデルのビヨンド・シリーズから、コア単板を贅沢に使用したScar。本国ではグランド・ジャンボ・サイズのボディで展開されているが、日本ではWAVEと同様のグランド・オーディトリアム・カッタウェイが採用されている。サンバースト・フィニッシュのコアやネックのフレイム・メイプルなど、美しい木目が際立つ1本だ。すべてのモデルにはピックアップがオプションで追加可能で、写真の個体にはL.R.バッグスのAnthemが搭載されている。

COBRA

COBRA(前面)
COBRA(背面)

美しいサペリ材のキルト杢を堪能する

ビヨンド・シリーズのCOBRAは、スプルース・トップにキルテッド・サペリ・サイド&バックのボディを採用した、オール単板のグランド・コンサート・カッタウェイ・モデル。メリダのお家芸とも言えるエルボー部分のベベル・カットや、カッタウェイ、フレットの両端のなめらかな処理など、職人の手仕事により高い演奏性を実現している。白蝶貝の装飾なども見事だ。

A18GAC2

A18GAC2(前面)
A18GAC2(背面)

熟練の職人がボディ背面に描く芸術

ボディ背面の意匠が特徴的なクラシック・シリーズのA18GAC2。アヴァロンやウッド・マテリアルを組み合わせた豪華絢爛な花のインレイには、職人の手仕事による繊細さが光る。グランド・オーディトリアム・サイズのボディは、トップがスプルースでサイド&バックは目の詰まったローズウッド。バランスの取れた煌びやかなサウンドを奏でてくれる。

A18GSC

A18GSC(前面)
A18GSC(背面)

トラベル・サイズに施される繊細な手仕事

美しいインレイ・ワークが光るA18GSCは、596mmスケールのトラベル・サイズながら、なめらかなベベル・カットやロール加工されたサウンドホールなど、メリダらしい繊細な手仕事が感じられる逸品だ。スプルース・トップにローズウッド・サイド&バックのボディで、ネックはマホガニー。ナット幅は43mmで慣れたグリップ感でプレイできるのもうれしい。

アコギ・マガジンVol.106で対談した
古川昌義&黒田晃年がメリダを試す!

メリダを取り扱うギターファクトリーからの“スタジオ・ギタリストの素晴らしさを伝えたい”という希望から、アコギ・マガジンVol.106で古川昌義と黒田晃年の対談を企画。特に古川は最近になってメリダのBLACK HOLEをステージで実際に使用するようになった。

上の動画は今回紹介したメリダのモデルを使ってふたりがセッションをしたものだ。ぜひそのサウンドを聴いて、プロが認めたメリダの実力を確かめてほしい。

なお誌面の対談では、ふたりがスタジオ・ギタリストになるまでの過程や苦労、スタジオ仕事を志す人たちへの実践的なアドバイスなど、貴重な経験を語ってくれているので、そちらも要チェック!

アコースティック・ギター・マガジンVol.106

Now Printing

メリダ協力のもと行なわれた、古川昌義と黒田晃年の対談が掲載される、アコースティック・ギター・マガジンVol.106は、2025年10月27日(月)発売。

表紙や特集の内容など、詳細は後日発表となるので、乞うご期待!

製品に関するお問い合わせはギターファクトリー(https://www.guitarfactory.jp/)まで。

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