Guitars
Collings/OM-1G Koa
1曲を除くすべてを奏でた、弾き語りの相棒
矢井田がほぼ全曲で使用したのがCollingsのOM-1G Koa。2005年製のカスタム品で、ボディ・トップにジャーマン・スプルース、サイド&バックに木目の美しいハワイアン・コアを採用した1本だ。ピックアップにはL.R. BaggsのAnthemを搭載している。
客席で聴けたサウンドは、高音が煌びやかで、キリッとした低音の存在感も大きい印象。「Maze」では指による柔らかいタッチも交えてゆったりと深く、「My Sweet Darlin’」では疾走感のある刻みから大きなストロークまでダイナミックにと、幅広いサウンドをこの1本で奏でていた。
本器のお気に入りポイントとして矢井田は、“繊細で高音の伸びがとても綺麗。ボディが私の身体のサイズにちょうどよく扱いやすい。バンドの中でジャカジャカ弾いても、弾き語りで単体でも、ちょうど良い存在感”と教えてくれた。
Maton/EML-12 “Mini Maton”
“匂い”を演出する小ぶりな12弦
「明日からの手紙」のみで使用した、MatonのEML-12 “Mini Maton”。後述するとおりDI直でPAへと送られていたのだが、ビッグな鳴りとコーラスをかけたような広がりを感じた。このサウンドについて、“あえて1、2弦の複弦のチューニングを通常よりもずらすことで、コーラス感が出るようにしてあります”と秘訣を明かしてくれた。
長らく12弦を求めていたそうだが、フルサイズのギターでは“弦を押さえるのも一苦労と言いますか、指が痛くて心が折れる”ということで手を出せていなかったところ、小ぶりな本器と出会ったそうだ。
12弦を選ぶ時の理由としては、“ケルト音楽やインドの音楽など、民族楽器の入った音楽が大好きで、「明日からの手紙」ではレコーディング時に西川進氏の演奏よるエレキ・シタールを入れました。なので、アコギにエフェクターをかける方法では表現し切れない「匂い」みたいなものを演出したい時に使います”とのこと。
Gibson/Dove Artist
2004年から愛用している希少なDove Artist
ライブでは登場しなかったが、サブとして用意されたGibsonのDove Artist。スリム・ドレッドノート・シェイプのCL-40 Artistの系譜を引き継ぎ、1999〜2006年の8年間のみ生産された希少なモデルだ。
シリアルナンバーから推察するに2003年製の個体で、美しい木目のフィギュアド・メイプル・サイド&バックや3ピース・メイプル・ネックが印象的な1本。
入手の経緯については、“本番前の楽屋ギターとして色んな有名アーティストさんの楽屋を旅していた子で、ローディさんに勧められてゲットした”そうだ。
ピックアップ・システムにL.R. BaggsのDual Sourceを追加しており、ステレオ出力で使用。曰く“ステレオの片方は素の音、もう片方は歪みの音にして混ぜる、といったやり方で、歪みなどをかけた際に、音自体がやせてしまうのを防いでいます”とのこと。
Pick & Capo
Pedalboard
ディレイを使ったバッキング・アプローチも
OM-1G Koaをつなげて使用した、矢井田のメイン・ボード。接続順は①〜③の番号順で、フット・スイッチ④はマルチ・エフェクター②のパッチ送り用、Bluetoothフット・スイッチ⑤はiPadに表示する歌詞の切り替えに使用している。チューナー①はミュート・スイッチ的に使うこともあった。
サウンドメイクの肝は②で、楽曲ごとにプリセットを組んでいる。サウンド感やリバーブの深さが曲ごとに細かく変えられていた印象で、8分音符で鳴るように設定したディレイでのバッキングや、リバース・ディレイのような空間的なアプローチも聴けた。
各音色の作り方については、“メインとなる音色(Default)のパッチを作成して、そこから各楽曲の世界観を表現するのに必要なエフェクトを選んで音色を作り込んでいきます。今回のツアーでは「ギターと歌」というとてもシンプルな編成での表現になってきますので、歌とギターとの「立ち位置」を意識した音を目指しています。歌を支えるギター、というイメージでしょうか。あとは前後の曲のつながりなどによって微妙に調整をしてあります”とのこと。
また②、スローな揺らぎを演出するロータリー・スピーカー・シミュレーターや、レンジを狭くするイメージでエレキ・ギター・アンプのシミュレーターを設定したパッチもあったそうだ。
なお、②のスイッチにはエフェクティブになる設定をアサインしており、“押すか押さないかは当日のノリだったりします”という。
DI③は、彼女が尊敬するHEATWAVEの山口洋からの薦めで購入。“音が太く、温かく強いです”とのことで、DIの特性を活かすためにも、つなぐエフェクターの数を極力少なくしている。
◆
アンコールで登場した12弦ギター=EML-12 “Mini Maton”にはチューナーもつながず、DI直でPAへと送られていた。
Radial/J48(DI)は会場でのレンタルだが、“アクティブDIならではのレンジの広さ、ノイズの低さなど、アコギ・サウンドとの相性が良かった”とのこと。シールドにはKAMINARI GUITARSのAcoustic Cableを採用している。
“矢井田 瞳 弾き語りツアー 〜GUITAR TO UTA 24-25〜”公演情報
- 2024年7月28日(日)/東京・duo music exchange
17:00開場/18:00開演 - 2024年8月12日(月・祝)/大阪・BIGCAT
17:00開場/18:00開演 - 2024年8月17日(土)/仙台・誰も知らない劇場
17:00開場/17:30開演 - 2024年8月18日(日)/福島・郡山Hip Shot Japan
17:00開場/17:30開演 - 2024年8月23日(金)/北海道・PENNY LANE24
17:00開場/17:30開演 - 2024年9月16日(月・祝)/愛知・THE BOTTOM LINE
17:00開場/17:30開演 - ★2024年10月19日(土)/神奈川・Billboard Live YOKOHAMA
1st 14:00開場/15:00開演
2nd 17:00開場/18:00開演 - ★2024年10月25日(金)/大阪・Billboard Live OSAKA
1st 16:30開場/17:30開演
2nd 19:30開場/20:30開演 - ★2024年10月31日(木)/東京・Billboard Live TOKYO
1st 16:30開場/17:30開演
2nd 19:30開場/20:30開演 - 2024年11月30日(土)/熊本・ぺいあのPLUS
17:00開場/17:30開演 - 2024年12月1日(日)/福岡・福岡ROOMS
17:00開場/17:30開演 - 2024年12月6日(金)/石川・金沢市アートホール
17:15開場/18:00開演 - 2024年12月7日(土)/山梨・甲府CONVICTION
17:00開場/17:30開演 - 2024年12月13日(金)/神奈川・Yokohama mint hall
18:00開場/18:30開演 - 2024年12月15日(日)/沖縄・TopNote
16:30開場/17:00開演 - 2024年12月21日(土)/愛媛・松山市総合コミュニティセンター・コスモシアター
17:00開場/17:30開演 - 2024年12月22日(日)/香川・高松オリーブホール
17:00開場/17:30開演 - 2025年3月8日(土)/栃木・高根沢ちょっ蔵ホール
17:00開場/17:30開演 - 2025年3月9日(日)/新潟・新潟県民会館 小ホール
16:00開場/17:00開演 - 2025年3月15日(土)/京都・京都磔磔
17:00開場/17:30開演 - 2025年3月16日(日)/兵庫・月世界
17:00開場/17:30開演 - 2025年3月20日(木・祝)/三重・松坂M’AXA
17:00開場/17:30開演 - 2025年3月22日(土)/島根・さんびる文化センター プラバホール
15:30開場/16:00開演 - 2025年3月29日(土)/山口・防府アスピラート 音楽ホール
15:30開場/16:00開演 - 2025年4月4日(金)/東京・WWWX
17:00開場/17:30開演
※★の公演は“矢井田 瞳 弾き語りツアー 〜GUITAR TO UTA 24-25 Billboard Live Special〜”
ツアー情報/チケット詳細:https://yaiko.jp/event/352684
最新リリース情報
矢井田 瞳「アイノロイ」各音楽サイトにて好評配信中
DL&Streaming:https://yaiko.lnk.to/AINOROI
Music Video:https://www.youtube.com/watch?v=faAD-YGNwKE