2024年5月11日(土)〜12日(日)の2日間にわたり開催されたサウンドメッセ in OSAKA 2024。今回はその会場から、アコースティック・ゾーンの各ブースをそれぞれの“推しアイテム”とともにレポート! さらに、アコギも展開しているウクレレ・ゾーンのブースや、国内外のルシアーが集結したブティック・ゾーンの模様も見ていこう。
AQUBE MUSIC PRODUCTS
お気に入りが見つかる、AQUBEのギター・ストラップ
井草聖二なども使用している東京都浅草のハンドメイド・ストラップ・ブランド、AQUBE MUSIC PRODUCTS(アクビ・ミュージック・プロダクツ)のブースには、色とりどりのストラップが展示されていた。注文を受けてからひとつひとつ手作業で作られる革製ストラップは、スタイリッシュなデザインと長時間のライブにも耐えうる品質が魅力だ。今回写真に収めたのは、手触りの良い牛革カウ・ヘアーで作られたベージュ・カラーの1本。公式HPからのオーダーでは、幅や長さ、素材なども選べるため、自分だけのモデルを考えてみよう!
ASTURIAS / ロッコーマン
10周年記念! 特別仕様のTRADシリーズ
ウクレレやクラシック・ギターなども展示するロッコーマンのブースと隣接した、彼らが取り扱うASTURIAS(アストリアス)のブース。写真に収めたのは、2024年に10周年を迎えたTRADシリーズのアニバーサリー・モデル、TRAD OM CW 10th Anniversaryだ。ボディはジャーマン・スプルース・トップにインディアン・ローズウッド・サイド&バックで、OMサイズにラウンド・カッタウェイを採用した、アストリアスには珍しい特別仕様となっている。なお、記念モデルはDシェイプ、カッタウェイなしのOMシェイプもラインナップ。
BOSE PROFESSIONAL
アコギ弾きにぴったりのワイヤレスPAシステム
音響機器の老舗ブランド=BOSE PROFESSIONAL(ボーズ・プロフェッショナル)のブースでは、持ち運び可能なラインアレイ・システム、L1 Pro8 Portable Line Array Systemのほか、アコギ・プレイヤーにお薦めのワイヤレスPAシステム、S1 PRO+ Wireless PA systemが展示されていた。後者は、Bluetoothデバイスを接続できる3chミキサーを搭載しており、自宅での練習や路上での弾き語り、イベント会場などでの演奏にも手軽に活用できるアイテムである。松井祐貴と井草聖二がその実力をチェックしたデジマート・マガジンの記事も要チェック!
トラベル・ギター・ブランドのJourney Instruments(ジャーニー・インストゥルメンツ)を扱うEncore music solutions(アンコール・ミュージック・ソリューションズ)のブースでは、アコギやウクレレ、アンプなど、様々なアイテムが所狭しと並んでいた。ピックアップしたのは、Overhead+シリーズのOF312N。トップとサイド&バックにアフリカン・マホガニーを採用したこのモデルは、ネックの取りはずしが可能なトラベル・ギターながら、豊かなサウンドが強みの1本。
Joint Works by Keystone and OGAWA INLAY(ジョイント・ワークス・バイ・キーストーン・アンド・オガワ・インレイ)のブースでは、同じ製作学校で学んだというKeystone Stringed Instruments(キーストーン・ストリングド・インストゥルメンツ)の西恵介氏とOGAWA INLAY(オガワ・インレイ)の小川貴之氏が共同製作したギターを2点展示していた。そのうちの1本である写真の“SJ龍”は、トップにジャーマン・スプルース・トップ、サイド&バックにホンジュラス・ローズウッドを採用。アバロンやマザー・オブ・パールで構成された龍のインレイが、ネックからヘッドへと登っている。
米アリゾナ州発のKostal Guitars(コスタル・ギターズ)は、ルシアーのジェイソン・コスタル(Jason Kostal)氏によるブランド。写真は、サウンドメッセに向けて仕上げたという彼のフラッグシップ・モデル、Modified D Cutaway。一般的なドレッドノート・シェイプよりややタイトで、トップにジャーマン・スプルース、サイド&バックにローズウッドを採用している。立体的なヘッド形状もユニークで、深みのあるラピス・ブルーのロゼッタも美しい。
オーストラリア発Maton Guitars(メイトン・ギターズ)のブースでは、松井祐貴や龍藏Ryuzoなどのアーティストによるデモ・ステージに多くの観客が集まっていた。展示のメインは、サウンドメッセに向けて作られたリミテッド・モデル、EBG808C ARTIST ’24LTD。808ARTISTシリーズにカッタウェイ・モデルが登場するのはこれが初めてだ。カラーはナチュラル(写真中央)、ライト・ブラウン・サンバースト、ティアドロップ・タバコ・バーストの3種で、各15本のみの限定生産となっている。
MIKI GAKKI Import & Trading
存在感抜群! アイリス・ギターのサウンドメッセ特別モデル
MIKI GAKKI Import & Trading(三木楽器インポート&トレーディング)のブースで、IRIS GUITAR COMPANY(アイリス・ギター・カンパニー)のメイン・ルシアー、アダム・バックウォルド(Adam Buchwald)氏に遭遇! 注目のモデルとして、サウンドメッセに向けて制作されたDF All Black / Custom CAT for SM painted by Sarah Ryanを紹介してくれた。グラフィック・アーティスト=サラ・ライアン(Sarah Ryan)氏によるシンメトリーな手書きアート・ワークが存在感抜群で、シトカ・スプルース・トップとマホガニー・サイド&バックのボディが生み出すサウンドは、力強くふくよかな印象だった。
モリダイラ楽器
アディロンダック・スプルースと神護木を組み合わせたM-161AD
日本の老舗ギター・メーカー=モリダイラ楽器のブースには、Morris(モーリス)のマスター・ルシアー、森中巧氏が全工程をハンドメイドで製作するLUTHIER MADE PREMIUMのモデルが並んでいた。中でも来場者の目を引いていたのが、国産材を用いて作られるJAPAN Forest SeriesのM-161AD(写真中央)。トップには希少なアディロンダック・スプルース、サイド&バックには宮崎県産の神護木(カゴノキ)を採用する特別仕様で、ストロークにもフィンガーピッキングにも適する。ヘッドの突板でも確認できるように、神護木が持つ杢目は神秘的だ。
Mukae Guitars / Ryosuke Kobayashi Guitars / Yen Guitars / Joji Yoshida Guitars
サーゲー・ディ・ヤング氏を師事するルシアーらが共同出展
カナダのマスター・ルシアー、サーゲー・ディ・ヤング(Sergei de Jonge)氏に師事する4名のルシアーが共同出展。同じ師を持つだけあり内部構造には共通部分も多いが、材のチョイスやデザインなどから独自の個性を感じる。写真左から、緻密なロゼッタの意匠が印象的な台湾のYen Guitars(イェン・ギターズ)の2本、Joji Yoshida Guitars(ジョージ・ヨシダ・ギターズ)のハワイのプロ・ミュージシャンによるオーダー・ギター、向江良太氏のMukae Guitars(ムカエ・ギターズ)によるRCモデルの2本、小林良輔氏が手がけるRyosuke Kobayashi Guitars(リョウスケ・コバヤシ・ギターズ)による100本目の記念モデルと並ぶ。
nava products/sakamoto(ナヴァ・プロダクツ・サカモト)を手がける坂本敏昭氏は本職がプロダクト・デザイナー。ブースでは、3Dプリンタを用いてデザインしたというモデルを展示していた(写真左)。側板が二重構造になっており、その内側に穴を開けることで、ボディ内部で共鳴を起こし独自の音響特性を実現している。共同出展のCasey Guitars(ケイシー・ギターズ)は、アイルランド出身のコナー・ケイシー(Conor Casey)氏によるブランドで、写真右のStudio Dreadnought Cutawayが撮影できた。ドレッドノートよりも若干小さめで、バランスの取れた音色が特徴だ。
株式会社日本娯楽 企画営業部
高スペックなパーラー・ギター
ギターやウクレレ、楽器関連アイテムなどを幅広く取り扱う日本娯楽のブースでは、Larrivee(ラリビー)の09 Artist Series PV-09 RWと出会った。サウンドメッセ1日目時点で、“この日最も試奏されたモデル”であるとのこと。可愛らしいサイズのパーラー・ギターだが、美しいバインディングやアバロンのロゼッタを始め、装飾も豪華で、鳴りもよく、サウンドのインパクトも抜群。ほかと被らないギターを探している人にぜひお薦めしたい1本だ。
深みのある音色が特徴のカリマンタン・エボニーをサイド&バックに用いた、ギター工房トシ・モリヤマのTM000-KEIsaac Jang GuitarsのOMモデルは、サイド&バックにホンジュラス・マホガニーを採用している本革製のギター・ストラップのほか、ウクレレ・ストラップやキーホルダーなども展示していたWIZARD LEATHER