Aura Spectrum DI Preamp、非常におすすめです
──『QUARTER CENTURY』のレコーディングで使用したギターについて聞かせてください。
D-42の登場は多かったですね。あとは1938年製のD-28。プリウォーのギターで、爆発的にあれ鳴るんですよね。ストロークとかでけっこう使ったような気がします。あと、Taylorのギャラリー・シリーズの“GSTT”も使いましたね。
──最も使ったというD-42はどんなサウンドの特徴がありますか?
アルペジオがすごく美しいですね。ハイ・フレットで弾いても、サステインが長くて。こうしても(7カポでアルペジオを爪弾く)まだまだ余白がある。ローとハイのバランスも良くて、ブリッジ部分がすごく鳴るんです。
──布袋さんとの「Soul to Soul」のMVではGibsonのHummingbirdをかき鳴らしていましたよね?
あれはPVだけです。ちょっと色っぽいギターが世界観に合うなと思って。レコーディングでは硬い音が良かったので、たぶんTaylorで弾いたと思います。
──表紙を飾ったアコギ・マガジンVol.41(2009年)のインタビューで、目線の高さからマイキングするようになったと言っていましたが、今はどうしていますか?
あの時は“直接音”を録りたくないと思って、高くしてやっていましたね。あれも良い音で録れていました。で、デビュー当時は15フレット狙いでマイキングしていて、最近またそれで録ってみたら良いんですよ(笑)。近さとコンプ感がすごく面白くて。「Blame It On The Love Song」も最初にジャラっていうストロークが聴こえるんですけど、あの近い感じの音で始まるのが気持ち良いんですよ。
──使うマイクは?
だいたい(ノイマン)U67が多いかなぁ。僕がエンジニアの斉藤(敬興)さんに“このマイクにしてください”って言うことはほとんどないんですけど、やっぱり67が多いと思います。
──小渕さん自身で“これは良い音で録れたなぁ”というパートを今作で選ぶとすると?
そうだなぁ〜……「Blame It On The Love Song」かな。自分でアレンジしたものを笹路(正徳)さんにリアレンジしていただいたんですけど、僕のアレンジはもっと音数が多かったんです。笹路さんはそれを間引いていって、“あ、イントロけっこう間引くんだな”って思ったんですけど、今聴いたらそれがすごく良いんです。この間、改めて自分のデモ・テープを聴いたら、“うわ、ダッサ! 多いな……”と思って(笑)。本当に必要最小限の状態にアレンジしていただいたので、全部の楽器の音が良いんですよね。
──最近のライブ用機材も気になるのですが、今のライブでこだわっているポイントはありますか?
このツアーから、FISHMANのコンプEQのAura Spectrum DI Preampをかましてみたんです。そうしたら、見違えるように音がステージ上で広がって。ステージから降りてエンジニアと客席で弾いてみたら、“めちゃくちゃ良くなったね!”っていうのがあったんです。非常におすすめですよ。
──導入のきっかけは何かあったんですか?
ピックアップをFISHMANのPrefix Pro Blend Pro-Man-P51に載せ替えたんです。それ自体はすごく好きなんですけど、ギターによって個体差があるんですよ。それで、最終リハの時に“テイラー、マーチン”とか言いながらストロークをして音を録ってみて、“抜けないかなぁ”と思うギターをどうにかしようと家の機材で色んなことやってみたんです。そしたら、“うっすらコンプだ!”って気づいて。専用のものを買ったほうが良いから、調べ上げて買ったんです。それが大当たりで、2台買いましたね。
『QUARTER CENTURY』コブクロ
Track List
- RAISE THE ANCHOR
- エンベロープ
- Mr.GLORY
- Soul to Soul
- Blame It On The Love Song
- 雨
- 足跡
- ベテルギウス -Over the GLORY DAYS-
- 雨粒と花火
- Moon Light Party!!
- Days
- この地球の続きを
ワーナー/WPCL-13605(通常盤)/2024年9月4日リリース