エレキじゃなくアコギである意味|アコギ上達100の裏ワザ:第14回

アコースティック・ギターが上手くなりたい人のための“アコギ上達100の裏ワザ”。すべてのアコギ弾きに役立つヒントを紹介!


アコギをアコギらしく弾くには
➡ エレキらしいテクニックを排除する練習をする

イラスト

アコギを弾くならば、エレキ・ギターとの差別化を考え、その特徴を生かしたいものです。その答えを見つけるには、逆にエレキの特徴を考えてみればいいのです。

エレキの特徴は、“弦が細い分チョーキングしやすい”、“音が伸びるのでピッキング回数が少なくてもプリングやハンマリングで多くの音を出せる”など。これを逆に考えます。なるべくチョーキング、プリング、ハンマリングを控え目にし、音が伸びないことを考慮に入れてプレイすることが、アコギらしさを表現することになるわけです。普段、エレキでロックをプレイする人こそ、アコギを持ったらチョーキングをできるだけ我慢する——こうした感性があってもいいのです。

僕の場合は、ライブの前半はチョーキングを我慢します。後半のここぞという時にだけチョーキングします。この回数が少ないからこそ、アコギが“生きる”のです(もちろんその選択は自由です)。

では次に、“エレキらしからぬ……”という意味を考えてみましょう。それもアコギの特徴になります。エレキであまり効果のないことは、(程度問題ではありますが)“弦を撫でるように弾く”ことです。ということは、アコギらしさとは“自分のピッキング加減でサウンドをコントロールする”表現ではないでしょうか。優しくピッキングしたり、強くピッキングすることで、音量や表情を変えられることがアコギのメリットというわけなのです。

さらに“ボディや指板上の弦を叩く”ということも、エレキではあまり効果のないことですよね。だから、マイケル・ヘッジスや押尾コータロー氏のようなアコギ・プレイヤーが出てくるのです。

ボディを叩く
ボディを叩くのはアコギならではの芸当
弦を叩く
指板上の弦を叩くのも効果アリ

また、エレキでは同じ音程を出し続けるとカッコ悪くなってしまう場合もありますが、アコギではカッコ良くなったりします。

アコギ上達100の裏ワザ

著者プロフィール

いちむらまさき

岐阜出身のギタリスト&ウクレリスト&ライター。音楽制作、ソロ・ギター・スタイル、インストラクターなどで活動。

著作に『ギター・コードを覚える方法とほんの少しの理論』、『楽譜を見えるのがうれしくなる方法とプレイに直結させるコツ』、『音楽理論がおもしろくなる方法と音勘を増やすコツ』、『コード進行を覚える方法と耳コピ&作曲のコツ』、『ピアノでコードを覚える方法とほんの少しの理論』、『ギターを弾いているだけで音感がアップする方法』、『ブルース・ギターをはじめる方法とプレイ幅を広げるコツ』、『ギター・スケールを覚えないでアドリブをはじめる方法』、『ウクレレのお手入れ&お手軽カスタマイズを楽しむ本』、『ジャズコで聴き比べる歪みエフェクター97』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本』、『100個のフレーズを弾くだけで飛躍的にギターが上達する本 リズム強化編』、『ギター上達100の裏ワザ』、『ギター作曲100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDエレクトリック・ギター』、『アコギ上達100の裏ワザ』、『耳コピ上達100の裏ワザ』、『ライブ上達100の裏ワザ』、『ウクレレ上達100の裏ワザ』、『目で見て確認DVDウクレレ』、『気づいた人から上手くなる! ギタリストのハテナに答えます!』、『ギターで作曲する方法とほんの少しのコード理論』(すべてリットーミュージック刊)など。

◎公式サイト:https://blog.goo.ne.jp/ichimuramasaki

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