全国の楽器店員がお薦めする今年の楽器・作品、楽器店員と一般投票で選ぶ今年のプレイヤーを決定する“楽器店大賞”。その第4回目となる“楽器店大賞2024”の表彰式が、2024年10月21日(月)に東京はヤマハ銀座スタジオにて行なわれた。その結果を改めてふり返っていこう。
まずは商品部門の発表からスタートし、注目の“ギター・ベース部門”の結果は以下となった。
- 大賞:Yahama/RSE20
- 2位:Yamaha/PACIFICA112V
- 3位:Epiphone/Les Paul Custom/Ebony
大賞はYamahaのREVSTARシリーズから2ハムバッカーのRSE20が受賞。チェンバー加工による軽量性など、楽器店員がその魅力を綴った投票コメントが読み上げられた。また、2位、3位の2モデルは2023年度も同順位でラインナップされており、根強い人気を証明した形となった。
そして、クラシック・ギタリストの猪居亜美やダウンホームなブルースも演奏するDURANらがノミネートされていた、商品プレイヤー部門の“ギタリスト・ベーシスト部門”の大賞の発表へ。
見事大賞に輝いたのは、YouTuberでギタリストのかずき。都合がつかず彼自身は会場には来られなかったが、受賞の喜びを語った動画が上映された。そのコメントは後日公開されるアーカイブ動画ですべて確認できるはずだが、以下にて抜粋してお届けしよう。
ギタリスト部門の大賞という、大きな賞をいただき大変光栄です。ありがとうございます。
私は自身のYouTubeチャンネルをとおして、ギターのレッスン動画やギターとの生活を楽しむための方法を発信し続けてきました。ギターという楽器は演奏するだけでなく、見ること、聴くこと、触れること、それだけでも人生を豊かにしてくれる素晴らしい楽器だと確信しています。
今後は、ギタリストとしての活動にとどまらず、ギターのある生活の魅力を、ギタリスト以外にも伝える活動にも力を入れていきたいと考えています。ギターに興味を持つ人の裾野を広げ、楽器業界を盛り上げたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。
──かずき
さて、コロナ禍の2021年からスタートし、プレイヤー部門では、こーじゅん、井草聖二、ヨメトオレと、アコギをメインにしたアーティストの受賞が続いていた。また商品部門で“ギター/ベース部門”となった2022年度にはYamahaのSTORIA I/II/IIIが大賞に輝いたが、2024年度のギター系部門は、のきなみエレクトリック優勢の年となった。
表彰式のオープニングで、“楽器店大賞2024”運営委員会委員長であり島村楽器株式会社 代表取締役社長である廣瀬利明氏は、“コロナ禍が始まった2020年には楽器業界では、自宅でひとりでも楽しめるウクレレやアコースティック・ギター、電子ピアノへの需要が高まりました。2023年5月からのアフター・コロナでは、複数人数で演奏を楽しめるバンド系の楽器や吹奏楽系の楽器の需要が非常に高まっています”と語った。
今年の大賞ラインナップは、廣瀬氏が語ったとおりの世相を表わすような結果となった。今後は“バンド系の楽器”の中でも、アコースティック・ギター需要が高まることも期待したい。
なお、他部門の大賞については、公式ホームページで確認してほしい。